◎アフガニスタンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近年、テロ攻撃が相次いでいる。
2024年7月15日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州、銃撃戦があった軍事施設近く(AP通信)

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州の軍事施設が攻撃を受けた事件について、当局は16日、これに関与した武装勢力の戦闘員10人が殺害されたと明らかにした。

事件は15日未明に発生。州都ペシャワルから数十キロ離れた軍事施設近くで爆発物を積んだ車が爆発、武装勢力の戦闘員が施設に向けて銃を乱射し、陸軍兵士8人が死亡、民間人を含む数十人が負傷した。

地元メディアによると、TTPパキスタンのタリバン運動)の分派グループが犯行声明を出したという。

内務省の報道官は16日、「TTPがこの卑劣なテロ攻撃に関与しているのは明らかだ」と非難。「関与した者をひとり残らず逮捕する」と述べていた。

陸軍によると、この爆弾攻撃で施設を取り囲む壁の一部が崩壊したという。

被害の程度は明らかになっておらず、負傷した民間人の数や容体も不明。

陸軍は声明で、「特殊部隊は18時間にわたる作戦の末、テロに関与した10人を殺害した」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

また陸軍は「中央政府は一貫して、アフガンのタリバン暫定政権の関与に懸念を示しており、TTPおよびその分派がアフガン領内に拠点を置き、国境周辺の安全を脅かしている」と述べた。

タリバン暫定政権はこの件に関するコメントを出していない。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク