◎洪水は刑務所の塀だけでなく、敷地内の建物にも大きな被害をもたらした。
2024年9月11日/ナイジェリア、北東部ボルノ州マイドゥグリ、ダム決壊により冠水した地区(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア北東部ボルノ州で発生したダム決壊による大洪水について、国家警察は15日、刑務所の塀が洪水により倒壊し、281人の受刑者が脱走したと明らかにした。

決壊したのはボルノ州の州都マイドゥグリの南方約20キロに位置するヌガッダ川をせき止めているアラウダム。大雨の影響で急激に水位が上昇し、10日に決壊した。

この洪水により少なくとも30人死亡、100万人以上が避難を余儀なくされた。

国家警察の報道官は声明で、「先週、マイドゥグリの主要刑務所から281人の囚人が脱走したことが判明した」と明らかにした。

それによると、洪水は刑務所の塀だけでなく、敷地内の建物にも大きな被害をもたらしたという。

刑務官は7人の受刑者を拘束したが、残りは逃走に成功。警察が行方を追っている。

気象台は10日、ボルノ州全域に洪水警報を発令、河川近くの住民に避難命令を出した。同州のすべての学校は10日から2週間休校となっている。

ボルノ州は西アフリカ最大のイスラム過激派「ボコ・ハラム」による学生誘拐事件で知られ、何度もテロ攻撃に見舞われてきた。

ボコ・ハラムと国軍は戦争状態にあり、同国北中部では過去10年間の戦闘で3万5000人以上が死亡、約260万人が避難生活を余儀なくされている。

国連によると、西アフリカ諸国では今年、大雨による被害が相次ぎ、ナイジェリア、セネガル、マリ、チャド、ブルキナファソなどで230万人以上が被災したという。

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