◎12月23日、ベニシャングル・グムズ地域で虐殺事件が発生し、100人以上が死亡した。
◎この事件とティグライ紛争(政府軍vsティグレ人民解放戦線)は別のものである。
BBCニュース/エチオピア、ティグレ人民解放戦線(TPLF)

12月23日、エチオピア人権委員会は、西部のベニシャングル・グムズ地域(民族境界線沿い)で虐殺事件が発生し、100人以上が死亡したと述べた。また、当局者によると、犠牲者の数はさらに増える可能性があるという。

アビィ・アハメド首相は事件発生の前日に同地域を訪れ、「ティグライのような虐殺事件を終わらせる」と述べたばかりだった。

2019年にノーベル平和賞を受賞したアハメド首相は、80以上の民族グループを団結させることに苦労している。

今回の虐殺事件と、先月末に終結したと伝えられている政府軍とティグレ人民解放戦線(TPLF)との戦闘は別のものである。

アムハラ民族運動の責任者は声明の中で、「23日の夜に西部の村で襲撃事件が発生し、住民たちは人質になった。死者数は恐らく200人を超える」と語った。

5人の生存者から当時の様子を聞いたアムネスティ・インターナショナルの当局者は、「生存者は、グムズ族のコミュニティのメンバーがアムハラ、オロモ、シナシャの民族を攻撃し、住民を刺し、撃ち、焼いたと言った」と述べた。

ベニシャングル・グムズ地域議会の与党、ベニシャングル・グムズ繁栄党は声明の中で、「武装強盗は恐ろしい犯罪を犯した」と事件を非難した。

アムハラ族はエチオピアで2番目に人口の多い民族である。

アムネスティ・インターナショナルによると、11月11日に発生したTPLFの攻撃でアムハラ族の住民54人が殺害されたという。

また治安当局は、10月初旬にベニシャングル・グムズ地域で同様の攻撃が発生し、アムハラ族の住民14人が殺害されたと述べた。

エチオピア人権委員会は、「アムハラ族に対する攻撃が激しくなっている」と懸念を表明した。

ベニシャングル・グムズ地域

ティグライについて知っておくべきこと

・12月、エチオピア国防軍は、ティグレ人民解放戦線(TPLF)の指導者の所在に関する情報に約25万ドル(2,600万円)の懸賞金をかける。

・12月11日、エチオピア政府、北部ティグライ地域の難民キャンプから逃れた「エリトリア難民数千人」を元の難民キャンプに戻すと発表。

・12月8日、エチオピア政府、ティグライ地域の検問所を突破しようとした国連職員に発砲

・2020年12月、国連とエチオピア、ティグライ地域への援助を許可する協定に署名

・2020年12月1日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、難民の栄養失調と飢餓を警告。

・2020年11月29日、赤十字病院、医療用物資が「危険なほど不足」していると警告。

・2020年11月28日、アビィ・アハメド首相、州都メケレを「完全に支配した」と宣言。

・2020年11月25日、政府軍、州都メケレへの攻撃を開始

・2020年11月22日、国連、エチオピア政府軍によるティグライ地域への「最後通告」について、市民を巻き込む致命的な戦争犯罪につながると懸念を表明。

・2020年11月22日、アビィ・アハメド首相がティグレ人民解放戦線(TPLF)に降伏する機会を与える。

・2020年11月、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、「即時の一時停戦」を求める。

・2020年11月、国連、「本格的な人道的危機」が発生していると警告。

・2020年11月14日、TPLFが、近隣地域の空港などをロケット弾で攻撃

・2020年11月13日、国連はマイカドラの町で発生したと伝えられている大量殺戮について、事実であれば「戦争犯罪」の可能性もあると述べた。

・2020年11月、ティグライ地域、南西エリアに位置するマイカドラの町で、数百人が刺されるなどして死亡した。

・2020年11月4日、TPLFが政府軍の軍事キャンプを攻撃。TPLFは関与を否定している。

・2020年9月、アハメド政権はコロナウイルスへの対応として国内での選挙活動を禁じ、TPLFはこれに猛反発した。TPLFはこの制限を、「中央政権の独裁体制を強化する違法行為」と見なしている。

・国内最大の民族グループはオロモ民族。TPLFはこれに属する。

・オロモ民族グループとソマリア民族グループの衝突が長年続いてる。

・1970年代~1980年代、政府の崩壊、干ばつ、飢饉で100万人以上が死亡、約800万人が影響を受けたと伝えられている。指導者はマルクス主義の独裁者、メンギスツ・ハイレ・マリアム。

・1989年、TPLFは他の反政府組織と合併、エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)を結成。

・1991年、EPRDFの軍事攻勢により、メンギスツ・ハイレ・マリアム政権崩壊

・1991年7月、EPRDF、オロモ解放戦線(OLF)などが87名の国民議会を形成。エチオピア暫定政府(TGE)を設立。

・2018年4月2日、アビィ・アハメドが首相に就任。

・2018年7月、エチオピアとエリトリア国の首脳が20年ぶりに会談、和平協定に署名

・2018年10月25日、サーレ・ワーク・ゼウデが大統領に就任。エチオピア初の女性大統領。

・2018年の避難民数は推定140万人。

・2019年、アハメド首相がノーベル平和賞を受賞。

・政府とTPLFの緊張関係は年々悪化している。

・TPLFはエリトリア国との和平を認めていない。

オロモ民族グループによる虐殺(数十人規模)が横行。オロモに属するアハメド首相はこれを非難している。

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