◎各プラットフォームは16歳未満の利用を防ぐ方法を1年以内に確立し、導入する必要がある。
スマートフォンを操作する少女(Getty Images)

オーストラリア議会上院は28日、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁じる法案を賛成34ー反対19で可決した。

これはインスタグラム、フェイスブック、X(旧ツイッター)、ティックトックなどの16歳未満の利用を禁じるもので、成立した場合、12カ月に施行される予定だ。ユーチューブキッズは除外される。

各プラットフォームは16歳未満の利用を防ぐ方法を1年以内に確立し、導入する必要がある。

法律施行後に組織的な違反が確認された場合、最高5000万豪ドル(約50億円)の罰金が科される可能性がある。利用者と保護者が罰せられることはない。

下院は27日に賛成102ー反対13で可決した。

上院は法案の一部を修正しているため、下院で再び採決が行われることになる。

上院はプラットフォームがユーザーに対し、パスポートや運転免許証など、政府発行の身分証明書の提出を義務付けることを認めず、政府のシステムを通じてデジタル身分証明書を要求することもできない条項を追加した。

これにより、プラットフォームは政府発行のIDでユーザーの年齢を確認することができなくなった。

フェイスブックとインスタを所有する米IT大手メタ・プラットフォームズは声明で、「この法案は急ぎである」と表明した。

シドニーに拠点を置くSNS擁護団体「デジタル・インダストリー・グループ」は28日、この法律が子供たちに与える影響、技術的基盤、範囲について議論が尽くされていないと懸念を示した。

同グループの代表はオーストラリア放送協会(ABC)の取材に対し、「この禁止法は今月公表され、ほとんど議論されぬまま、あっという間に可決されたが、その結果、誰もそれが実際にどのように機能するのか自信を持って説明できていない」と語った。

プラットフォームがどのようにして年齢を確認するかは不明だ。ユーザーに政府系IDの開示を求めることはできないため、難しい対応を迫られることになるだろう。

下院は29日に修正案を採決する予定だ。この法案の批評家たちは「16歳以上であることを証明しなければならないユーザー」のプライバシーに影響を与える可能性があると指摘している。

政府は16歳未満のSNS利用を禁じることに加え、18歳未満のポルノサイト閲覧を禁じる方法も模索している。

ポルノサイトは入り口で18歳以上かどうかを確認しているものが多いが、18歳以上をクリックすれば誰でも閲覧できる状態となっている。

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