◎一部の暴徒化したデモ参加者と警察が衝突し、催涙ガスが使用された
チュニジアの首都チュニスで12日、亡命希望者とみられる人々を乗せたボートが近海で沈没した事故に抗議するデモが行われ、数百人が参加した。
AFP通信によると、一部の暴徒化したデモ参加者と警察が衝突し、催涙ガスが使用されたという。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は11日、チュニジア南東部の沖合で亡命希望者とみられる8人の遺体が収容されたと発表した。
8人は2週間前に消息を絶ったボートに乗っていた移民とみられる。一部の地元メディアは赤ちゃんを含む移民18人を乗せたボートが15日前に南東部の沖合で消息を絶ったと報じているが、詳細は分かっていない。
デモ隊は道路でタイヤを燃やし、警察に石を投げつけ、「移民を見殺しにするな」と訴えた。
北部の港町ガルジスでも同様の抗議デモが行われ、沿岸警備隊に行方不明者を捜索するよう求めた。
沿岸警備隊は11日の声明で8人の身元を特定したと発表したが、DNA鑑定がまだ終わっていないとして報告を訂正している。
チュニジアは深刻な政治・経済危機に直面しており、人口の3分の1が貧困層と推定されている。沿岸警備隊と警察の予算は枯渇し、移民の捜索・救助に苦慮しているようだ。
チュニスの本拠を置くチュニジア・ヒューマン・ライツ(THR)は12日、「政府は警察に捜索・救助活動に必要な予算を割り当ててない」と指摘し、今回の事故で死亡し埋葬された移民の調査を要求した。