◎マリ北部を含むサヘル地域で進行中の紛争はこの数カ月で激しさを増し、多くの民間人や兵士が死亡している。
西アフリカのブルキナファソとニジェール両政府は22日、マリの軍事政権に対し、イスラム過激派組織との戦争に復帰し、責任を負うよう呼びかけた。
マリ北部を含むサヘル地域で進行中の紛争はこの数カ月で激しさを増し、多くの民間人や兵士が死亡している。
AFP通信によると、マリ、ニジェール、ブルキナファソで今年過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回ったという。
仏軍はこの地域で活動するジハード組織に対するバルハン作戦を2014年に開始し、マリ、チャド、モーリタニア、ニジェール、ブルキナ軍を支援してきた。この5カ国の兵士で構成される部隊は「G5サヘル」と呼ばれていた。
しかし、マリの軍事政権を率いるゴイタ(Assimi Goita)大佐は今年5月、G5サヘルとフランス主導の軍事同盟から脱退すると発表した。仏軍は先週、マリ領内から完全撤退し、拠点をニジェールに移した。
ニジェールの国防省は声明で、「マリは地域情勢を鑑み、この作戦で責任を果たさなければならない」と述べた。「マリ北部を含むサヘル地域ではテロリストが攻勢を強めています...」
ブルキナファソの暫定大統領であるダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐も22日、ニジェール国防相との会談後に声明を発表。この地域で活動するテロリストに1センチたりとも領土を渡すつもりはなく、進行中の作戦を継続する必要があると表明した。
「私たちはマリを含むこの地域の同盟国と協調して、定期的かつ恒常的な対テロ作戦を継続するつもりです...」
ブルキナファソとニジェールの部隊は4月2日~25日まで共同作戦を行い、少なくとも100人のテロリストを無力化したと報告している。
フランスとマリの関係は、マリ軍がロシアの民間軍事会社「ワグネル」の傭兵を雇ったことなどを受け、急速に悪化した。
一方、ブルキナ軍は今月12日、ジハード主義者を押し戻し、奪われた領土を取り戻す新しい作戦を開始すると発表したが、その詳細や規模は明らかにされていない。
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)によると、ブルキナ政府は領土の約40%しか管理できておらず、残り60%はジハード組織の支配下に置かれている。