◎ソマリア、エチオピア、ケニアなどの東アフリカ諸国はこの50年で最悪の大干ばつに見舞われている。
国連は11日、歴史的な干ばつに見舞われているソマリアで約100万人が飢餓の危機に瀕していると警告した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とノルウェー難民評議会(NRC)は共同声明の中で、「100万人のうち75万5千人以上が国外に逃亡もしくは国境付近で助けを求めている」と説明した。
ソマリア、エチオピア、ケニアなどの東アフリカ諸国はこの50年で最悪の大干ばつに見舞われている。ソマリとケニアの一部地域では5年以上雨が降っていない。
NRCのソマリア担当は「100万人が干ばつで土地を追われ、水と食料を探している」と述べ、国際社会に支援を倍増させる必要があると呼びかけた。
UNHCRによると、ソマリアで危機的な飢餓に直面している人々の数は、気候変動とロシア・ウクライナ戦争による食料価格の高騰により、今後数ヶ月で500万~700万人超に達する見込みだという。
国連食糧農業機関(FAO)も、「作物や家畜の生産不良が広がり、食料価格の高騰が続き、人道支援が最も脆弱な人々に届かなければ、9月までに8つの地域で飢饉が発生し、壊滅的な結果をもたらす」と警告した。
FAOの報道官は「飢饉が宣言される前に行動を起こす必要が重要である」と強調した。
しかし、援助機関は資金不足に悩まされているようだ。
UNHCRのソマリア代表はAFP通信の取材に対し、「ソマリアの資金は数年前から枯渇しており、難しい対応を何度も迫られていた」と語った。
ソマリアではイスラム過激派組織「アル・シャバーブ」などによるテロ攻撃が激化しており、危機に拍車をかけている。