◎機動隊と抗議グループの双方で死者が確認された。
西アフリカのシエラレオネで10日、インフレと政府の政策に抗議するデモが行われ、一部の暴徒と機動隊が衝突した。
報道によると、機動隊と抗議グループの双方で死者が確認されたという。
ジャロー(Mohamed Juldeh Jalloh)副大統領は10日のテレビ演説で「警察官と市民の命が失われた」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
またジャロー氏は暴動を食い止めるために夜間外出禁止令を発令すると発表した。期間は10日午後3時から、終了日は未定。
デモ隊はビオ(Julius Maada Bio)大統領の退陣を求めて首都フリータウンを行進した。ある抗議グループは「ビオを逮捕しろ」と叫び、近くの小売店に石を投げつけた。
政府報道官は10日に放送された国営ラジオのインタビューの中で、2002年に集結した内戦に触れ、「この国はすでに十分すぎるほど苦しみを味わっている」と述べ、暴徒を非難した。「シエラレオネは多くの悲惨な出来事を経験してきました。今、政府は軌道修正を行っている最中です。デモ隊は暴力ではなく言葉で意見を伝えてください」
ソーシャルメディアで共有された動画には、フリータウン東部を行進するデモ隊と燃やされたタイヤの山が映っていた。
別の動画では石を投げる若者のグループや、地面に倒れた男性を襲う集団が映っていた。
ジャロー氏は演説の中で、「暴徒たちは警察官だけでなく民間人も襲い、小売店や車を破壊した」と語った。
AFP通信は警察筋の話を引用し、「警察官2人が暴徒に殺害された」と報じている。それ以外の死者は明らかにされていない。
世界各国のインターネット接続状況を監視する英団体ネットブロックス(NetBlocks)によると、シエラレオネのインターネット通信はほぼ遮断され、全国の接続状況は10日午後の時点で通常の5%にとどまっている。
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)は10日、暴力を非難し、「法と秩序を守り、加害者を特定し、法の裁きを受けさせなければならない」とツイートした。
政府は軍に8月12日まで警察を支援すよう要請している。
世界銀行によると、シエラレオネの人口の50~60%以上が貧困ライン以下の生活を余儀なくされている。ここ数カ月の燃料・食料価格の高騰は貧困層に大打撃を与えている。