◎「成年後見制度は私に害を及ぼしました。私は自分の人生を送る権利を持っています。私は自分の人生を取り戻したい…」
2021年6月23日/カリフォルニア州ロサンゼルスのスタンレーモスク郡庁舎周辺、FreeBritneyキャンペーンの支持者たち(Chris Pizzello/AP通信)

6月23日、アメリカのポップスター、ブリトニー・スピアーズ氏はカリフォルニア州ロサンゼルスで開催された公聴会で成年後見制度に反対し、「虐待を終わらせたい」と語った。

スピアーズ氏が法廷で証言したのは2019年以来約2年振り。ただし、2019年の法廷記録は公表されていない。同氏は、成年後見制度で自分の人生を管理している父親や他の関係者を非難し、「避妊やその他の薬を自分の意思に反して服用せざるを得ず、結婚や出産を妨害された」と述べた。

「この成年後見制度は私に害を及ぼしました。私は自分の人生を送る権利を持っています。私は自分の人生を取り戻したい...」

スピアーズ氏はオンラインを通じてロサンゼルス郡上級裁判所のブレンダ・ペニー裁判官に、「父は私を100,000%支配し、支配を愛と言った」と語った。

スピアーズ氏は2006年から2008年の間に発生した様々な事件以来、成年後見制度の管理下に置かれており、保護者に「財産」と「私生活」を管理されている。父親のジェイミー・S氏は2019年までこの2つを管理していたが、健康上の問題を理由に保護者を一時的に辞め、それ以来メンタルヘルスケアの専門家であるジョディ・モンゴメリー氏が代理保護者を務めてきた。

しかし、保護者を辞任したジェイミー・S氏は、現在も娘の不動産(推定65億円)を金融会社のベッセマートラスト社と共同管理している。

スピアーズ氏は「保護と呼ばれている成年後見制度を終わらせたい」と述べ、それを「虐待」と呼んだ。「私は一生懸命働きました。私は私の人生を送るに値する人間です。私は2~3年の休憩を取るに値します...」

スピアーズ氏はボーイフレンドのサム・アスガリ氏と結婚して出産したかったと述べたが、成年後見制度の管理下に置かれている限り、結婚も出産も許可されない。同氏は証言の中で「子宮内避妊器具(IUD)を装着している」と明かし、「父は妊娠を防止するためにIUDを取り外さないよう命じた」と主張した。

一方、ジェイミー・S氏の弁護士によると、同氏は娘の主張に悩まされていたという。弁護士は法廷で読み上げた書簡の中で、「ジェイミー・S氏は娘の苦しんでいる姿を見て申し訳ないと言いました」と述べた。「彼は娘を愛しています。娘をとても恋しく思っています」

2012年10月24日/カリフォルニア州ロサンゼルスのスタンレーモスク郡庁舎周辺、ジェイミー・スピアーズ氏(Getty Images/AFP通信)

AP通信によると、ペニー裁判官はスピアーズ氏の「勇気ある」証言に感謝したが、判決は下さなかったという。判決が確定する時期は明らかにされておらず、AP通信は「法的手続きは長期化する可能性がある」と報じた。

裁判所の前には#FreeBritney運動の支持者が100人以上詰めかけ、「ブリトニーに自由を!」などと書かれた看板を掲げた。

AP通信によると、#FreeBritney運動の支持者のひとりで公聴会を傍聴したマリッサ・クーパー氏はブリトニー氏の演説中に涙を流し、時々拍手したという。

公聴会後にAP通信の取材に応じたクーパー氏は、「正気ではなかった」と述べた。「クレイジーです。ブリトニーが置かれていた状況を知り、悲しくなりました。今すぐ彼女に自由を与えてください」

ニューヨーク・タイムズ紙は22日、ブリトニー氏が2014年以来成年後見制度に反対していたことを示す法廷文書を入手したと報じた。

スピアーズ氏の問題は今年公開されたニューヨーク・タイムズのドキュメンタリー映画「フレーミング・ブリトニー​・スピアーズ(原題)」で国際的な注目を集めた。

スピアーズ氏は公の場で成年後見制度についてコメントしたことは一度もなかったが、今年4月に弁護士を通じて公聴会で証言することを明かし、「自分のキャリアに父親が関与することを望んでいない」と示唆した。

スピアーズ氏の弁護士を務めるサミュエル・D・インガム氏は、成年後見制度の保護者を父親からジョディ・モンゴメリー氏に永久に置き換える請願を裁判所に提出している。

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