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▽ガイアナとベネズエラは係争地エセキボ地域の領有権を争っている。
南米ガイアナのアリ大統領(左)とベネズエラのマドゥロ大統領(Getty Images)

南米ガイアナのアリ(Irfaan Ali)大統領は2日、隣国ベネズエラの沿岸警備隊巡視艇が、米エクソンモービル社が管理するガイアナ沖の石油鉱区に接近したことについて、領海侵犯であり、断じて容認できないと改めて非難した。

ガイアナとベネズエラは係争地エセキボ地域の領有権を争っている。

エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。

ベネズエラのマドゥロ(Nicolás Maduro)大統領はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と繰り返し非難してきた。

ベネズエラに近い北西部の油田ではエクソンの探査が完了しておらず、このような状態が続いている。

アリ氏は1日の声明でベネズエラの巡視艇が領海を侵犯したと明らかにし、エクソン社の開発エリアに近づいたと非難していた。

エクソン社はガイアナ沖で日量64万5000バレルの石油を生産している。

ベネズエラ政府は1日、テレグラムへの投稿でアリ氏の批判を一蹴。「ガイアナの大統領は我々が領海を侵犯したと主張しているが、これは明らかなウソ、偽情報である」と記した。

またベネズエラ政府はガイアナとその関係企業がベネズエラの領海を不法占拠していると主張した。

地元メディアによると、ガイアナ外務省は駐ベネズエラ大使を召喚し、説明を求めたという。

アリ氏は2日の声明で、「エクソン社が作業する海域に航空部隊を展開した」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

米州機構(OAS)は1日、ベネズエラがガイアナの領海に侵入したと非難した。

米国務省も事件に言及。「さらなる挑発行為が確認されれば、マドゥロ政権は厳しい結果に直面することになる」と警告した。

トランプ(Donald Trump)米大統領は先週、石油大手シェブロン社によるベネズエラ産石油の輸出許可を打ち切ると発表した。シェブロン社は米政府によるベネズエラ制裁を免除され、米国内にベネズエラ産石油を輸入・販売することを許可されている。

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