◎北部トクイトの刑務所前には家族や友人が集まり、釈放を祝った。
ベネズエラ政府は16日、7月の大統領選後の大規模な抗議デモの間に逮捕した数千人のうち何人かを釈放した。
独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に忠誠を誓う司法長官は前日、225件の事件を見直すよう命じ、その結果、少なくとも70人が釈放された。
現地メディアによると、北部トクイトの刑務所前には家族や友人が集まり、釈放を祝ったという。
首都カンパラに拠点を置く2つの人権団体はX(旧ツイッター)に声明を投稿。1つは「少なくとも70人の釈放を確認した」、もう1つは「政府が一定の条件の下で数十人を釈放した」と書き込んだが、それ以上の説明はなかった。
司法省はコメントを出していない。
団体がSNSで公開した画像にはカンパラ郊外の刑務所から釈放された男性らと家族が抱き合う姿が映っていた。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは16日、釈放を歓迎したうえで、政府に対し、選挙やその余波で逮捕されたすべての市民を解放するよう要求した。
選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保したと報告。それによると、全野党の統一候補ゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたという。
米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。