◎抗議デモの発端となった事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口付近で今月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む14人が死亡、3人が重傷を負った。
セルビアの首都ベオグラードで5日、北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが暴動に発展した。
現地メディアによると、数十人の暴徒が市庁舎のガラスを割ったり、壁に赤いスプレーを吹き付けたという。機動隊は催涙ガス弾で応戦し、暴徒を追い払った。
抗議デモの発端となった事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口付近で今月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む14人が死亡、3人が重傷を負った。
この駅は近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。
主催者は平和的にデモを行うよう呼びかけていたが、一部が暴徒化し、市中心部にある市庁舎を取り囲み、窓ガラスに石を投げつけた。庁舎内には機動隊が配備された。
ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「平和的なデモは認めるが、暴力が許されると思うな」と警告した。
またブチッチ氏は「恐ろしい連中が暴力的な破壊活動に従事している」と非難した。
市庁舎の壁に落書きした活動家の男性はAP通信の取材に対し、「幼い少女を含む14人は汚職まみれの政治家に殺害された」と語った。
一方、抗議デモの主催者たちは政府に天井が崩落するまで放置されていた原因を突き止め、その責任を追及するよう求める請願書を提出したと明らかにした。
一部の野党議員はブチッチ派の工作員が暴動に関与したと主張。「与党は抗議デモが暴動に発展したと見せかけ、野党を悪者に仕立て上げようとしている」と非難した。
検察庁は崩落事故を受け、ベシッチ(Goran Vesic)建設相を含む40人以上の政府関係者から話しを聞いている。