◎フランコ氏はリオ市議会唯一の黒人女性として、女性の権利拡充などを公約に掲げ支持を拡大するも、2018年3月に殺害された。
ブラジル・リオデジャネイロ州の裁判所は10月31日、市議会議員のフランコ(Marielle Franco)氏を殺害した実行犯と運転手役の男に実刑判決を言い渡した。
2人は元警察官で司法取引に応じ、自分たちの役割を告白している。1人はフランコ氏に向けて発砲、もう1人は運転手であった。
リオ地裁はフランコ氏とその運転手を殺害したロニー・レッサ(Ronnie Lessa)被告に懲役79年、運転手役のエルシオ・デ・ケイロス(Élcio de Queiroz)被告に懲役60年を言い渡した。
フランコ氏はリオ市議会唯一の黒人女性として、女性の権利拡充などを公約に掲げ支持を拡大するも、2018年3月に殺害された。
レッサとケイロスは2019年に逮捕され、その後、司法取引で犯行を認めた。
もう1人の実行犯である男も先月末に懲役5年を言い渡された。この男も司法取引に応じている。
これにより、警察は今年3月、主犯格である連邦議会議員のブラザオ(Chiquinho Brazão)とその弟でリオ州の会計監視委員会の委員ドミンゴス(Domingos Brazão)をフランコ氏殺害を指示した疑いで逮捕した。この2人の公判日は決まっていない。
リオ検察は両被告に対し、懲役89年を求刑していた。
判事が判決文を読み終えると、裁判所内で拍手が沸き起こり、フランコ氏の遺族が弁護士ら関係者と抱き合った。
ブラジルは終身刑を認めていない。TVグローボによると、両被告は司法取引に応じたことから、25~30年ほどで仮釈放される可能性があるという。