◎この男は昨年7月、首都ポルトープランス郊外の地区で米国市民4人を誘拐した。
ハイチ国家警察は22日、米国市民4人を誘拐した罪に問われているギャングの構成員1人が米国に送還されたと明らかにした。
それによると、この男は首都ポルトープランスに拠点を置くギャングの幹部とみられる。
男の身柄は20日に引き渡された。報道によると、この男は昨年7月、ポルトープランス郊外の地区で米国市民4人を誘拐したという。
国家警察は声明の中で、「容疑者は今年9月、ドミニカ共和国の国境近くで逮捕された」と明らかにした。
国連によると、この男が加盟するギャングの構成員数は20人ほどで、他のギャングに比べると規模は小さいものの、非武装の女性や子供を標的にし、非常に残酷な拷問や処刑を繰り返しているという。
このギャングは超法規的処刑、殺人、強盗、レイプ、誘拐、公共バスの乗っ取りなど、複数の事件に関与したとされる。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。
ポルトープランス郊外で2021年10月に発生した米国人宣教師誘拐事件では400マウォゾと呼ばれるギャングのリーダーが米国に送還、起訴された。