◎デンマークと隣国スウェーデンでは最近、ごく一部の反イスラム勢力が公の場でコーランを燃やしたり、踏みつけたりするデモを強行。イスラム諸国の怒りと反発を招いた。
デンマーク政府がイスラム教の聖典コーランを含む宗教の聖典・象徴を燃やすデモを非合法化する可能性がある。政府高官が30日、明らかにした。
ラスムセン(Lars Løkke Rasmussen)外相は30日に放送された公共放送DRのインタビューで、「聖典を燃やすことは団結を必要とする現在の世界において、分裂を生み出す害でしかない」と語った。
またラスムセン氏は「政府は他国への嘲笑に終止符を打つ方法を検討している」とし、聖典・象徴を公の場で冒とくすることを禁じる法案を国会に提出する可能性があると示唆した。
デンマークと隣国スウェーデンでは最近、ごく一部の反イスラム勢力が公の場でコーランを燃やしたり、踏みつけたりするデモを強行。イスラム諸国の怒りと反発を招いた。
ラスムセン氏は「フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は表現の自由を損なうことなく、このような行為を禁止する措置を講じる決意だが、それは容易なことではない」と認めた。「宗教の批評は冒涜には当たらないと考えていますが、在外公館の前でコーランを燃やしたり、イスラエル大使館の前で文書を燃やしたりするのは嘲笑以外の何ものでもなく、容認できません...」
フレデリクセン内閣は同日、イスラム諸国で反デンマーク・スウェーデンデモが相次いでいることを念頭に、「表現の自由は同国における最も重要な価値観のひとつである」と声明を出した。
しかし、首都コペンハーゲンなどでコーランが破壊された結果、デンマークは世界の多くの国・地域で「他国の文化・宗教・伝統を侮辱・誹謗・中傷する低俗国家」と呼ばれるようになった。
フレデリクセン内閣は宗教の冒とくを繰り返し非難し、「少数の個人による攻撃的かつ無謀な行為はデンマークが築いてきた価値観を代表するものではない」と反論している。
スウェーデンのクリステション(Ulf Kristersson)首相は30日、インスタグラムに声明を投稿し、「政府はコーランやその他の聖典の冒とくが法的に問題ないか検討している」と明らかにした。
イスラム教徒の権益を守ることを目的に掲げる国際機構「イスラム協力機構」は今週、スウェーデンとデンマークでのコーラン焼却について話し合う緊急会合を開いた。