◎今年1月の授賞式は非公開で行われた。
米メディア大手NBCユニバーサルは20日、人種差別、性差別、利益相反の疑いで昨年米国のテレビから追放されたゴールデングローブ賞の放送を再開すると発表した。
ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)は昨年、ロサンゼルス・タイムズが報じた人種差別問題で批判の嵐に直面し、過去の受賞者がトロフィーを返却する事態に発展。NBCに見捨てられた。
今年1月の授賞式は非公開で行われ、パワー・オブ・ザ・ドッグ(原題:The Power of the Dog)とウエスト・サイド・ストーリー(原題:West Side Story)がそれぞれ3部門を受章した。
ゴールデングローブ賞は米映画界最大の栄誉であるアカデミー賞の前哨戦に位置付けられ、NBCは1996年からこのイベントのホストを務めている。
しかし、HFPAに20年間黒人会員がひとりもいなかったことが明らかになると、NBCは態度を一変させた。
HFPAはこの報道で人種差別、性差別、倫理的欠陥に直面。さらに、会員が作品を選定する過程の中で、スタジオから頻繁に「タダ飯」をごちそうになっていたことも明らかになった。
一部のハリウッドスターはトロフィーを投げ捨て、ボイコットを表明した。
それ以来、HFPAは改革に着手し、会員の「タダ飯」を禁じ、体制を大幅に見直した。
報道によると、新会員21人のうち6人は黒人だという。
また、新たに100人以上の投票者が加わり、初めて米国以外の国に拠点を置く投票者も誕生した。
NBCとの契約は単年。今年は80周年を記念するイベントも期待されている。
NBCユニバーサルは声明で、「我々はHFPAの継続的な変化への取り組みを認め、ゴールデングローブ賞がNBCに戻ることを楽しみにしています」と述べている。
一部の専門家はこの改革に疑問を呈している。
HFPAは最近、ゴールデングローブ賞の権利を米投資家のボーリー(Todd Boehly)氏に売却し、同賞を私物化したと非難された。
報道によると、ボーリー氏はHFPAの初期会員に年俸7万5000ドルを支払うことに同意したと伝えられている。