◎正体不明の武装集団は6月、礼拝者少なくとも50人を殺害した。
ナイジェリア軍は9日、南西部オンド州のカトリック教会で6月5日に発生した大量虐殺事件に関与したとされる容疑者を逮捕したと発表した。
正体不明の武装集団は礼拝者を無差別に殺害したと伝えられている。
地元メディアは少なくとも50人が死亡、数十人が負傷したと報じたが、一部の犠牲者は警察が到着する前に埋葬されてしまったため、正確な死者数は分かっていない。
ナイジェリア軍の報道官は記者会見で、「卑劣な事件に関与した容疑者を逮捕した」と語った。
AP通信は警察筋の話を引用し、「捜査は続いている」と報じたが、詳細は分かっていない。
軍報道官も捜査が続いていることを認めたうえで、「ナイジェリアに攻撃を仕掛けるテロリストをひとり残らず捕らえる」とした。
オンド州は同国で最も平和な州のひとつと考えられていたため、事件は住民に衝撃を与えた。
地元メディアによると、北部地域に拠点を置くイスラム過激派組織ボコ・ハラムやその他の武装勢力が南部にテロ攻撃を仕掛けることは滅多にないという。
警察は6月の記者会見で、「ボコ・ハラムとつながりのあるイスラム国(ISIS)系組織が関与したとみられる」と述べていた。
ボコ・ハラムを研究している安全保障アナリストによると、ボコ・ハラムを含む北部のテロリストは活動範囲をゆっくり広げているという。
襲撃事件を目撃した司教は9日、AP通信の取材に対し、「恐ろしい大量虐殺事件の情報がほとんど公表されていないことに憤りを覚える」と語った。
また司教は「容疑者が逮捕されたことを報道で知った」と述べ、軍と警察に情報開示と事件に関与した者を逮捕、起訴するよう求めた。