◎バージニア州フェアファックスの陪審員は23日、アンバー側の証言を確認した。
2022年5月23日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、女優のアンバー・ハード(Steve Helber/Pool/AP通信)

女優のアンバー・ハード(Amber Heard)の弁護団は23日、ジョニー・デップ(Johnny Depp)本人の証言はこれ以上求めないとする方針を表明した。

主要メディアによると、弁護団の関係者は方針変更の理由を明らかにしなかったという。アンバー側は23日にジョニー本人に質問する予定だった。

ジョニーはワシントン・ポスト紙が2018年に掲載した記事の中で、アンバーが「家庭内暴力を(受けた女性を)代表する公人になった」と主張したことに憤慨し、5000万ドル約63億円の訴訟を起こした。

アンバーは記事の中でジョニーの名前には触れていないが、ジョニーは記事のせいで名誉、名声、ファン、大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」フランチャイズ、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズを失ったと主張している。

裁判は今週結審する予定。

今週の審理ではジョニーの元カノであるスーパーモデルのケイト・モス(Kate Moss)さんを含む著名人数人が証言する予定と伝えられている。

バージニア州フェアファックスの陪審員は23日、アンバー側の証言を確認した。

証人のひとりである心理学者は、「デップさんの行動は物質使用障害を持つ人と、パートナーに暴力を振るう人の行動と一致する」と説明した。

物質使用障害は一般に物質の使用により問題が生じているにもかかわらず、その使用を続ける行動パターンと定義されている。

心理学者は陪審員に、「パートナーに対する暴力の40~60%はアルコールや物質使用障害の影響下で行われる」と語った。

ジョニーの弁護団はこれに異議を唱え、「証人はデップさんと話したことがなく、手元にある情報だけで結論に達した」と陪審員に訴えた。

アンバー側のもうひとりの証人(外科医)は、2015年にオーストラリアで発生したとされる暴力事件でジョニーの指が断裂したとは考えにくいと証言した。

ジョニーはアンバーにウォッカボトルを投げつけられ、指の骨が露出するほど切断されたと主張している。

外科医は「デップさんのケガはドアで指を挟んだ時の傷と一致する」と説明し、ジョニーが負傷した当時の写真を公開した。

アンバー側の証言に目新しい情報はなかった。

一方、ジョニー側の証人はアンバーが2つの人格障害に苦しんでいると指摘した。これも以前の審理で確認されている。

アンバー側はこの主張を否定し、「ハードさんは夫の暴力でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した」と陪審員に訴えた。

ジョニーとアンバーは1カ月にわたる裁判の中で全く異なる説明をしている。どちらの証言がウソかは分からないが、イギリスの裁判所は2020年の裁判でアンバーの主張を認め、ジョニーの控訴を退けた。

アンバー側の証人は先週、ふたりの結婚生活を「崖っぷち」と説明した。

一方、ジョニーは「DVの被害者は自分である」と主張し、精神的に不安定なアンバーに暴力を振るわれ、日常的に虐待を受けてきたと説明している。

2022年5月23日/バージニア州フェアファックスの地方裁判所、ジョニー・デップとアンバー・ハード(Steve Helber/Pool/AP通信)
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