米国、メキシコ産牛の輸入禁止措置を解除へ、スクリューワームハエ症流行
米国は2025年、寄生虫「スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)」の感染がメキシコ国内で確認されたことを受け、牛の輸入を停止した。
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米農務省が1年以上続いていたメキシコ産生体牛の輸入停止措置を解除する方針を固めた。米紙ウォールストリート・ジャーナルが24日、ロリンズ(Brooke Rollins)農務長官への取材を基に報じたもので、30日以内にアリゾナ州ダグラスの国境検疫施設で輸入を再開し、その後ニューメキシコ州内の2カ所でも受け入れを再開する計画だという。輸入再開は、米国内で高騰が続く牛肉価格の抑制と家畜供給の安定化を目的とした措置となる。
米国は2025年、寄生虫「スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)」の感染がメキシコ国内で確認されたことを受け、牛の輸入を停止した。この寄生虫は傷口に産み付けられた幼虫が生きた組織を食い荒らすことで家畜に深刻な被害を与え、適切な治療が行われなければ死に至ることもある。
米国では1960年代までに根絶されたが、中米から北上を続けたことで再侵入への警戒が強まり、政府は家畜産業を守るため厳格な輸入規制を実施してきた。
一方で、この措置は米国の畜産市場にも大きな影響を与えた。メキシコは年間約100万頭の子牛を米国へ輸出する主要供給国であり、輸入停止によって肥育用牛の供給が不足した結果、牛肉価格は過去最高水準まで上昇した。ひき肉やステーキなどの小売価格も高騰し、消費者の負担が増加したほか、食肉加工業界からは供給不足の解消を求める声が強まっていた。トランプ政権も物価対策の一環として牛肉価格の引き下げを重視するなど、今回の輸入再開はこうした事情を反映した判断とみられている。
輸入再開にあたっては、防疫対策の強化が前提となる。まず感染地域から比較的離れたアリゾナ州ダグラスで受け入れを再開し、家畜の検査や消毒を徹底した上で段階的に対象施設を拡大する方針である。
米国とメキシコは不妊化したラセンウジバエを放して繁殖を抑える「不妊虫放飼法」の実施や検疫体制の強化を進めており、感染リスクを最小限に抑えながら牛の取引を再開する考えだ。
しかし、米国内の畜産団体の一部は慎重姿勢を崩していない。米国内で感染が広がれば畜産業全体に甚大な被害を及ぼしかねないとして、輸入再開は時期尚早との意見も出ている。
一方、食肉業界や流通関係者は供給不足の改善につながると歓迎しており、安全対策を講じた上での国境再開を支持している。トランプ政権は今後も感染状況を継続的に監視し、防疫と安定供給の両立を図る方針である。輸入再開が牛肉価格や北米の畜産貿易にどのような影響を与えるかが注目される。
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