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メキシコ南部で不妊スクリューワーム生産施設の開所式、米墨共同プロジェクト

施設は総事業費約5000万ドルを投じた米墨共同プロジェクトで、将来的には週当たり最大1億匹の不妊ハエを生産する能力を備える計画だ。
2026年6月27日/メキシコ、チアパス州、不妊化したスクリューワームを作る施設の概観(ロイター通信)

米国とメキシコは27日、グアテマラ国境に近いメキシコ南部チアパス州で、不妊化した「スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)」を大量生産する新施設の開所式を行った。両国は家畜に深刻な被害をもたらすスクリューワームの感染拡大を食い止めるため、国境を越えて防疫体制を強化する。

施設は総事業費約5000万ドルを投じた米墨共同プロジェクトで、将来的には週当たり最大1億匹の不妊ハエを生産する能力を備える計画だ。開所式にはメキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領と米国のロリンズ(Brooke Rollins)農務長官らが出席し、両国が連携して家畜衛生上の脅威に対処する姿勢を示した。

スクリューワームは幼虫が牛や馬、羊など恒温動物の生きた組織を食い荒らす寄生バエで、治療が遅れると死ぬこともある。繁殖能力を失わせた雄を野外に大量放飼し、野生個体との交配によって次世代を減少させる「不妊虫放飼法」は、この害虫の防除に長年活用されてきた。

しかし近年、中米から北上したラセンウジバエが2024年末にメキシコで確認され、その後急速に拡大した。2026年には米南部テキサス州でも感染が確認され、農務省は5月以降、メキシコ産牛の輸入を制限する措置を講じている。これにより米国では牛の供給が一段と逼迫し、メキシコでは国内向け牛肉生産や輸出構成にも影響が及んでいる。

新施設はこれまで中米で不妊ハエを供給してきたパナマの生産施設を補完する役割を担う。ただし、専門家は週1億匹の生産能力だけでは現在の流行を完全に封じ込めるには不十分で、さらなる生産拡大や継続的な放飼が必要になるとの見方を示している。

シェインバウム氏は記者会見で、「スクリューワーム対策は国境を越えた協力なしには成功しない」と強調した。ロリンズ氏も農業や畜産業を守るためには米墨両国が緊密に連携することが不可欠だと述べた。

スクリューワームの再拡大は北米の畜産業にとって数十年ぶりの重大な衛生危機となっている。新施設の稼働は被害抑制に向けた重要な一歩と位置付けられるが、感染拡大を食い止めるには長期的かつ広域的な防疫体制の維持が求められる。

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