中国・習近平氏の訪印、外交改善へ一歩も経済関係には根深い不信
両国関係は2020年にヒマラヤ地域の係争地で発生した衝突でインド兵20人、中国兵4人が死亡して以降、大きく悪化した。
とインドのモディ首相(ロイター通信).jpg)
中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が今週末、インドのニューデリーを訪問する。インドで12、13日に開かれるBRICS首脳会議への出席が目的で、訪印は7年ぶりとなる。今回の訪問を通じて、中国とインドの関係改善がさらに進む可能性がある一方、経済面では依然として強い警戒感が残っている。
両国関係は2020年にヒマラヤ地域の係争地で発生した衝突でインド兵20人、中国兵4人が死亡して以降、大きく悪化した。インドは中国企業への投資審査を厳格化し、中国製アプリを禁止するなど、安全保障を理由に経済面でも中国への依存を抑える政策を進めてきた。その後、国境での緊張緩和や首脳間の対話が進み、外交関係には雪解けの兆しが出ている。
しかし、企業活動をめぐる障壁はなお多い。インド側では中国企業への投資規制や安全保障上の審査が続く一方、中国側ではインド人ビジネス関係者へのビザ(査証)発給が難航するケースがある。また、太陽光発電や電子機器、インフラ整備に必要な中国製設備や部品が中国の税関で滞留し、一部の大型掘削機では1年以上止まっている例もあるという。
インドでは、中国企業による技術や資本への依存が安全保障上のリスクになるとの警戒が強い。中国側もインドの港湾設備や製造関連技術の輸出に慎重姿勢を示しており、双方が相手国への依存を戦略的な弱点とみている構図がある。
それでも、今回の習氏訪印は状況を動かす契機になり得る。習氏とモディ(Narendra Modi)首相が首脳会談を行えば、国境問題だけでなく投資、貿易、ビザ、設備輸出など個別の障壁を緩和する協議につながる可能性がある。
ただ、外交関係の改善がそのまま企業間の信頼回復を意味するわけではない。中国とインドの経済関係を本格的に立て直すには、国境問題に加え、安全保障と経済をどこまで切り離せるかが最大の課題となる。
今回の訪印は雪解けの始まりにはなっても、長年積み重なった不信を一気に解消する場にはなりそうにない。
