米国で「スクリューワーム」新規症例3件確認、農務省が対応急ぐ
スクリューワームはハエの一種で、その幼虫が牛や馬、羊などの家畜、さらには野生動物の傷口に寄生して生きた組織を食い荒らすことで知られる。
.jpg)
米農務省(USDA)は21日、家畜に深刻な被害をもたらす寄生虫「スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)」の新たな感染事例が3件確認されたと発表した。これにより、米国内で確認された感染事例は計15件となり、畜産業界や当局の警戒感が一段と高まっている。
スクリューワームはハエの一種で、その幼虫が牛や馬、羊などの家畜、さらには野生動物の傷口に寄生して生きた組織を食い荒らすことで知られる。感染が進行すると深刻な組織損傷や衰弱を引き起こし、適切な治療が行われなければ死に至る場合もある。米国では20世紀後半に根絶されたが、中南米地域では依然として発生が続いており、再侵入への懸念が高まっていた。
USDAによると、今回確認された3件はいずれもメキシコ国境に近い南部地域で発見され、関係当局が感染経路や周辺地域への拡散状況を調査している。感染個体は隔離され、治療や防疫措置が講じられているという。現時点で人への健康被害は報告されていないものの、専門家は家畜や野生動物を介した感染拡大の可能性に注意を呼びかけている。
米政府は感染拡大を防ぐため、監視体制の強化や家畜の移動管理に加え、殺虫処理や不妊虫放飼プログラムの活用を進めている。不妊虫放飼法は、人工的に不妊化した雄のハエを大量に放出し、野生個体群の繁殖を抑制する手法で、過去にスクリューワームを北米から根絶するうえで大きな成果を上げた実績がある。
一方、畜産業界では被害拡大への懸念が強まっている。米国は世界有数の牛肉生産国であり、感染の広がりによって家畜の死亡率上昇や生産コスト増加が生じれば、牛肉価格や関連産業にも影響が及ぶ可能性がある。特に輸出市場では、防疫状況が貿易条件に直結するため、業界関係者は当局による迅速な封じ込めを求めている。
専門家は感染拡大を防ぐためには農場レベルでの監視が不可欠だと指摘する。家畜の傷口を定期的に確認し、異常が見られた場合は速やかに獣医師へ連絡することが重要だ。USDAは今後も監視を続けるとともに、州当局や畜産関係者と連携しながら防疫措置を強化する方針である。
-1.jpg)
