◎エボラウイルスはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。
ウガンダの医療当局は中部地方で確認されたエボラウイルスを抑え込む取り組みを強化している。
エボラウイルスはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。
政府は先週、中部ムベンデ県で男性1人がエボラ出血熱で死亡したと発表。2019年以来の死者を報告した。
エボラウイルスは現在、中部の一部地域に広がり、保健省によると、感染が確定した患者は35人。死者は7人となった。なお、エボラに感染し、死亡したと疑われる人が18人確認されている。
ムベンデ県の医療当局者はAFP通信の取材に対し、「エボラがどの地域からどのように拡散したか調査している」と語った。
政府によると、数十人が感染疑いで医療機関に入院しているという。
政府は緊急事態に対処する準備が整っておらず、最初の感染報告から数日間は混乱状態にあったと認めている。
今回の流行はムベンデ県郊外の小さな村で9月初旬頃から始まったと考えられている。ムベンデ県は首都カンパラの西150kmに位置する。
ムベンデ県エボラ対策委員会の報道官はAFPに、「市内の医療機関は感染者が確認されたと報じられ、パニックに陥った」と説明した。
政府は感染を抑える取り組みの一環として、移動式検査施設を導入するとしている。
ムベンデ県の医療関係者は圏内の広い範囲で患者が確認されたことに懸念を表明し、濃厚接触者を追跡する取り組みが重要になると指摘した。
ウガンダ政府は感染者と感染疑いの人を隔離している。一部の市民は感染者が1桁から2桁に急増したことに懸念を表明し、医療機関に行列を作った。
当局によると、1人目の犠牲者(24歳男性)のサンプルを調査した結果、スーダン株であることが確認された。専門家はスーダン株を「比較的まれな株」と説明している。この株がウガンダで確認されたのは4回目。スーダンでは3回発生している。
現在、ムベンデ県への立ち入りは制限され、県内での集会やイベントもすべて禁じられている。
ウガンダは3年前にエボラ・ザイール株の感染拡大を経験した。エボラウイルスはコンゴ民主共和国(旧ザイール)で1976年に初めて確認され、急速に拡大。これまでに約1万5000人が死亡している。