コロナウイルス／アメリカの死者数が10万人を突破

2020年5月28日 2020年10月27日 6分45秒

初めての死者が確認されてから4か月

1月21日、首都ワシントンで同国初の死者が確認されてから4か月。パンデミックは、10万人のアメリカ国民を死に追いやった。

同国の感染者数は、今なお増加し続けている。ジョンズ・ホプキンズ大学の調査によると、27日時点のアメリカ国内における累計感染者数は約169万人、100,276人の死亡が確認された。

昨年末に中国武漢で発生したとされるコロナウイルスは、震源地を「中国→欧州→アメリカ→ラテンアメリカ」に移し、今なお猛威を振るっている。これまでに569万人が感染し、35万人以上が死亡した。

同国におけるコロナウイルスの死者数は、「朝鮮戦争」「ベトナム戦争」「イラク戦争」「アフガニスタン（戦争）」で命を落としたアメリカ兵の合計を間もなく上回る。
朝鮮戦争（1950-1953年）：36,500人
ベトナム戦争（1961-1975年）：58,000人
イラク戦争(2003-2011年）：4,500人
アフガニスタン（2001ｰ現在）：2,000人
コロナウイルス（2020年2月-現在）：100,000人

同国における10万人当たりの死者数はベルギー（1位）、スペイン（2位）、イギリス（3位）、イタリア（4位）などに次ぐ9位にランクしている。また、新規感染者数および死者数は5月に入っても高い水準を維持しており、保健当局は関連死等を含めると、累計死者数はさらに増加すると述べた。

トランプ大統領はロックダウンの段階的な緩和もしくは解除を求めており、それに全50州は何らかの形で応えた。しかしロイター通信の調査によると、20の州で5月18日～24日（1週間）の死者数が前週を上回ったという。

その中でも、ノースカロライナ州、ウィスコンシン州およびアーカンソン州の3州は、症例数が右肩上がりで増加し続けている。また、シカゴ、ロサンゼルス、ワシントンD.C.などの大都市圏の感染状況もほとんど改善されていない。

全米最多の21,000人以上が死亡したニューヨーク州などの死亡率は徐々に低下しているものの、それでも1日当たりの死者は数百人規模を維持している。結果、医療機関は患者と死者に圧倒され、その場しのぎの遺体安置場が各地に設置された。

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トランプ大統領とコロナウイルス

トランプ大統領は、政権が行動しなければ死者数は今の25倍に増えるだろうと述べ、予防対策の成功をアピールしている。これに対し州知事たちは大統領の対応の遅れを指摘、パンデミックが老人ホームや貧困地域に致命的なダメージを与え、死者の爆発的増加につながったと述べた。

当初トランプ大統領は、コロナウイルスを”季節性の流行り風邪（インフルエンザ）”であると述べ、2月には「我々は全てをコントロールしている。4月までにウイルスは消え去るだろう」と豪語した。

【トランプ大統領の主な発言】
1月22日：「中国のウイルスで1名の死亡が確認されたが、全て我々の管理下にある。問題ないだろう」
2月2日：「中国からの入国をシャットダウンした」
2月10日：「暖かくなってくればウイルスは消滅する。我々は素晴らしい仕事をしているし、何も心配することはない。中国の習主席と話したが、彼は良くやっている。私は全て上手くいくと確信している」
2月11日：「アメリカで確認された症例はわずか12件だ。そして、そのほとんどが回復しており、退院できる者もいる。すなわち、ウイルスは恐れるに足りない存在ということだ」
2月24日：「我々はウイルスを完全にコントロールしている。私は同盟国、関連国と連絡を取り合い、協調してそれの撲滅に当たっている。アメリカ疾病予防管理センター（CDC）と世界保健機関（WHO）は賢明に働いている。株式市場はこれから上昇気流に乗るだろう」
2月28日：「感染者がゼロになる日は近い。私たちは素晴らしい仕事をしている。危機？どんな危機だ？」

感染者数と死者数の増加に歯止めがかからない中、トランプ大統領は同国のＰＣＲ検査体制を絶賛。テスト数が他国に比べ圧倒的に多いことを強調し、「群を抜く感染者数は名誉の証である」と主張した。

パンデミックによって約4,000万人のアメリカ国民が仕事を失い、経済活動再開、ロックダウンの完全解除を求める声は日に日に強まっている。世界最大のテーマパークであるディズニーワールドは、7月11日からの再開に向け、最終調整に入った（州知事の許可待ち）。

MGMリゾーツ・インターナショナルが所有するラスベガスのカジノ（4カ所）は、7月4日の独立記念日に再開する予定である。

AP-NORCアメリカ全国世論調査センターによると、国民の約49％が、コロナウイルスワクチンが開発され次第、それを入手（接種）すると回答したという。

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