イタリア、少子化で学校教職員を追加削減へ、2027年度から約7000人、反発広がる

イタリアの政策選択は、人口減少社会における公教育のあり方を問うものとなっている。
2026年10月23日/イタリア、ミラノの学校(ロイター通信)

イタリア政府は少子化による児童・生徒数の減少を受け、2027~28年度から学校教職員を約7000人削減する方針だ。メローニ政権が先週閣議決定した2027年度予算案では、教員4925人、事務職員や用務員など非教員職員2049人のポストを削減する。さらに、退職する公務員の補充採用を定員の75%に制限し、2027~28年度に計3億3600万ユーロの削減を見込む。

今回の措置は、2025年度予算に盛り込まれた削減策に続くものだ。同予算では、2025~26年度から教員5660人、2026~27年度から非教員職員2174人のポスト削減が決まっている。相次ぐ削減により、学校運営や教育の質への影響が懸念される。

背景には深刻な出生率低下がある。小中学校の児童・生徒数は2017~18年度の840万人から、2024~25年度には770万人に減少した。今後も少子化が進めば、学校の統廃合や教職員配置の見直しは避けられない状況だ。

しかし、教職員組合や野党は政府方針に反発している。組合の関係者は、人口減少を公教育の削減の理由にすべきではないと批判する。専門家も、生徒数の減少は教員削減ではなく、学級規模の縮小や教育環境の改善に活用すべきと主張している。

メローニ政権はEUの財政赤字ルールやエネルギー価格の上昇、低成長に制約され、追加支出の余地が限られている。2027年に総選挙を控える中、生活費高騰への抗議活動や教育予算の拡充を求める学生のデモも発生している。

少子化への対応として教育予算を削減するのか、それとも児童・生徒一人当たりの教育環境を改善するのか。イタリアの政策選択は、人口減少社会における公教育のあり方を問うものとなっている。

あなたへのおすすめ