イスラエル軍がヨルダン川西岸ヘブロンから撤退、避難住民3000人超が帰還、住宅や商店に深刻な被害

国連によると、今回の作戦で3000人以上が避難を余儀なくされた。
2023年5月26日/ヨルダン川西岸地区、ヘブロン近郊(Majdi Mohammed/AP通信)

パレスチナ・ヨルダン川西岸地区の都市ヘブロンで2日、イスラエル軍が10日間にわたる軍事作戦を終えて撤退し、避難していたパレスチナ住民が損壊した自宅に戻り始めた。国連によると、今回の作戦で3000人以上が避難を余儀なくされた。

作戦は10月23日、ヘブロン近郊の検問所でパレスチナ人武装勢力がイスラエル兵2人を殺害した事件を受け、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の指示で開始された。襲撃したパレスチナ人2人も現場で死亡した。

イスラエル軍はその後、武装勢力の関係者が居住する地区を封鎖し、住民を退去させて家屋の捜索や取り調べを実施した。

ロイター通信によると、イスラエル軍は複数の建物を捜索し、容疑者を拘束・尋問したほか、銃器4丁や軍事装備品を押収した。また、襲撃犯2人の住宅を破壊した。

帰還した住民は、自宅の家具が壊され、家財道具が散乱するなど、軍事作戦による被害の大きさを訴えた。ロイターの取材に応じた女性は、兵士が玄関を爆破して侵入し、家族を脅迫したうえ、夫を手錠で拘束して連行したと証言した。地元当局は住宅だけでなく商店や道路、工場なども破壊されたと説明している。

イスラエル軍の撤退後、パレスチナ当局がブルドーザーで瓦礫や土のバリケードを撤去。地域の復旧に着手した。

ヨルダン川西岸では2023年10月のハマスによるイスラエル攻撃と、その後のガザ紛争以降、イスラエル軍の軍事作戦や入植者による暴力、パレスチナ人の襲撃が増加している。今回の作戦は占領下の地域における住民の移動や集団的懲罰をめぐる国際的な懸念を改めて浮き彫りにした。

あなたへのおすすめ