◎ジョンソン政権は先月、マスク着用義務を含む制限の大半を廃止した。
2月20日、イギリス政府はコロナウイルス制限の緩和をさらに進め、陽性者の自己隔離規則を廃止すると発表した。
ボリス・ジョンソン首相は20日に放送されたBBCニュースのインタビューの中で、「コロナの拡散を抑えるために導入したすべての法的義務を廃止することで、イングランドの住民は自由を取り戻す」と述べ、計画の詳細は21日に議会で説明すると明らかにした。
ジョンソン首相は、「用心に越したことはないが、今こそ自信を取り戻す時だ」と力強く語った。「我々は国家による強制や行動制限ではなく、個人の責任を奨励する段階に入りました...」
しかし、政府の科学顧問は制限の緩和に懸念を表明しており、「制限を緩めすぎると感染者の急増を招き、より凶悪な変異株の出現を促す可能性がある」と指摘している。
野党労働党の医療部門もジョンソン首相の政策を「時期尚早」と呼び、「戦争が終わる前に勝利を宣言している」と批判した。
エリザベス2世が20日の検査で陽性と診断され、政府はコロナが依然として蔓延していることを思い知らされることになった。王室によると、女王は軽い風邪のような症状が出ているという。
ジョンソン政権は先月、マスク着用義務を含む制限の大半を廃止した。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドは独自の公衆衛生規則をゆっくりと緩和している。
イギリスの新規陽性は先月初めのピークから減少傾向が続いており、直近1週間の平均陽性は50,000件を下回った。しかし、病床収容率は高止まりしており、1日当たりの死亡者は100人台を維持している。
12歳以上のワクチン2回接種率は約85%、ブースター接種率は60%を超えている。
一部の保守党員は強制ではなく「個人の責任」に方針を転換するために、残りの制限をすべて廃止するよう求めている。
BBCによると、現在の規則は陽性と診断された人に最低5日間の自己隔離を義務付けているが、これが来週から勧告措置に置き換えられるという。一部の専門家はコロナをインフルエンザのように扱う最初の一歩と述べ、規則の緩和を歓迎した。
またジョンソン首相はワクチンと治療でコロナを抑えるとしているが、必要に応じて「監視システムと緊急対策を発出できる」と述べている。
ジョンソン首相はインタビューの中で、「コロナが突然消滅することはないと思うので、我々はコロナと共生する方法を学び、自由を制限されることなく、自己責任で自分を保護し続ける必要がある」と語った。
この発表は規則を非効率的で不均衡と呼んでいた多くの保守党員を喜ばせるだろう。一部の批評家は、「ジョンソンはコロナ禍のパーティースキャンダルで高まっている更迭の危機を乗り切るために、保守党員の支持を集めようとしている」と指摘した。
科学者たちは現在主流のオミクロン株より凶悪な変異株が出現するか否かは誰にも分からず、安易に制限を緩和すべきではないと主張している。陽性者の増加はコロナに変異の機会をより多く与えることになる。
政府の諮問委員会は先週、「コロナが次第に穏やかになるという考えは間違っている」 と述べ、ジョンソン首相の方針にくぎを刺した。「オミクロン株の重症化リスクが低くなったのは偶然の出来事であり、将来の変異型はより凶悪になり、既存のワクチンを無効化する可能性があると考えるべきです...」
また諮問委員会は、「検査や隔離の終了は劇的な感染拡大を引き起こし、これまでの努力を水の泡にする可能性がある」と警告した。
一部の科学者は無料PCR検査の廃止にも懸念を表明している。保健当局も大量検査がコロナの蔓延を遅らせるうえで重要な役割を果たしたと指摘している。
国民健康サービス(NHS)のテイラーCEOはソーシャルメディアに、「今、リスクを冒すべきではない」と投稿した。「制限の緩和は科学的な証拠に基づき慎重に進める必要があります...」