◎セルジョ・マッタレッラ大統領はローマの見晴らしの良いアパートに引っ越す準備を進めている。
1月29日、イタリア議会はまもなく任期満了を迎えるセルジョ・マッタレッラ大統領に2期目を務めてほしいと懇願した。
地元メディアによると、議会は新大統領の選出に苦労しており、6日間で7回投票を行ったものの、選出に必要な過半数を獲得できそうな候補はひとりもいないという。
マッタレッラ大統領の任期は2月3日に終了する。大統領選挙の準備に先立ち、マッタレッラ大統領は記者会見で「2期目は望んでいない」と述べていた。地元メディアによると、大統領はローマの見晴らしの良いアパートに引っ越す準備を進めているという。
しかし、議会各党は候補の選出で”すったもんだ”し、投票もうまくいかなかった。
イタリアの大統領は主に外交を担当する。マッテレッラ大統領は2015年2月に就任した。
議会を率いるマリオ・ドラギ首相(閣僚評議会議長)は各党の党首に「ロビー活動をうまく行うよう」電話をかけたと伝えられている。ドラギ首相は以前、大統領に就任する可能性を否定しなかったが、各党はコロナ禍の早期解散に懸念を表明していた。
AP通信によると、マッタレッラ大統領の事務所は取材に応じなかったという。
しかし、民主党のエンリコ・レッタ党首は29日の記者会見で、マッタレッラ大統領は2期目の要請に応じたと示唆した。
レッタ党首は記者団に、「大統領の熱意は衰えていない」と語った。
元首相のマッテオ・レンツ議員も、「チームを変更する必要はない」と述べ、ドラギ首相とマッタレッラ大統領のタッグは金融市場に安心感を与えると強調した。
他の議員もマッタレッラ大統領に引っ越しを中断し、「頑張ってほしい」と懇願した。
中道右派のフォルツァ・イタリア党を率いるシルヴィオ・ベルルスコーニ元首相は、「私たちはマッタレッラ大統領の奉仕に感謝し、彼と共に団結すると誓う」と語った。
ロベルト・スペランツァ保健相は記者団に、「マッタレッラ大統領の再選を支持する」と述べた。
最大政党”五つ星運動”を率いるジュゼッペ・コンテ元首相も応援団に加わった。
地元メディアによると、マッタレッラ大統領は29日の午前に行われた投票で議会議員と特別地域の代表1,009人中、387人の支持を集めたという。28日遅くの投票では336票だったため、次の投票ではさらに票を伸ばすと予想されている。