◎ロシアの地方裁判所はグーグルに72億ルーブル(約110億円)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズに20億ルーブル(約30億円)の罰金を科した。
12月24日、ロシアの地方裁判所は違法なコンテンツを削除しなかったとして、グーグルに72億ルーブル(約110億円)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズに20億ルーブル(約30億円)の罰金を科した。
グーグルとフェイスブックが削除しなかった違法コンテンツの詳細は明らかにされていない。
ロシアがビッグ・テックにこの規模の罰金を科すのは初めて。
グーグルはAP通信の取材に対し、「裁判所の判決文を精査し、次のステップに進むかどうかを決める」と述べた。
ロシアは今年、米国のハイテク企業に対する圧力を強化し、コンテンツの管理ミスを「内政干渉」と呼んだ。一部の専門家は取り締まりについて、「ロシアは国民が西側の文化に染まることを恐れている」と指摘している。
グーグルの罰金刑確定から数時間後、裁判所はメタ社にも同様の理由で罰金を支払うよう命じた。ツイッター社も先週、同様の理由で罰金を科されている。
ロシアは通称「コンテンツ法」で西側のハイテク企業に圧力をかけている。
規制当局は今年5月、グーグルに麻薬、暴力、過激主義に関連する約26,000件の違法なコンテンツを削除するよう命じ、応じなかった場合は通信を制限すると脅迫した。
ウラジーミル・プーチン大統領は「ソブリン(国家)インターネット」の構築を推進してきた。これを確立すると、政府は市民がアクセスする情報をより細かく制御および監視できるようになる。
専門家はソブリンネットワークを「言論統制」と呼び非難している。今年初めに投獄された野党党首のアレクセイ・ナワルニー氏はインターネット上で多くの支持を集め、勢力を拡大した。
規制当局は今年、ナワルニー氏に関連する数十のウェブサイトを閲覧禁止にし、サイトの運営に関与したグループを「過激派組織」に指定した。
また当局は、今年の議会選挙でナワルニー氏とその関連グループが大々的に宣伝した「スマート投票」の情報を排除するためにグーグルとフェイスブックに圧力をかけ、それに関連するウェブサイトをすべてブロックし、ナワルニー氏のグループが開発したアプリはアップルストアとグーグルストアから削除された。
当局は独立系メディアに対する取り締まりも強化しており、多くのウェブサイトが今も閲覧できない状態になっている。
政府は今年、国内で販売されるすべての新型スマートフォン、コンピューター、スマートデバイスにロシア製のソフトウェアとアプリのインストールを義務付ける法律を施行した。政府は当時の声明で、「この法律はロシアのハイテク企業を支援し、違法コンテンツを放置する外国勢力を取り締まるだろう」と述べた。