◎保健当局によると、10日に確認されたオミクロン株感染数は448件、総数は1,200件を超えたという。10日のイギリス全体の新規陽性者数は58,198件で、その大半はデルタ株。
2021年12月9日/イギリス、ロンドンのウェストミンスター駅(Alberto Pezzali/AP通信)

12月10日、Withコロナ政策で欧州をリードするイギリスは新たなコロナ変異ウイルス「オミクロン株」を抑えるために、厳しい制限を発効した。

ボリス・ジョンソン首相は9日の記者会見で制限強化を「プランB」と呼び、「封鎖ではない」と強調したが、一部の保守派はプランBを批判した。

<イギリスのプランB(抜粋)>
・公共の場(屋内外問わず)でのマスク着用義務化。(12月10日発効)

・イングランドの企業にテレワークを強く推奨する。(12月13日発効予定)

・ナイトクラブ、500人以上を収容できる屋内施設、4,000人以上を収容できる屋外施設、10,000人以上を収容できるスタジアムに入場する際のグリーンパス提示を義務化する。(12月15日発効予定)

保健当局によると、10日に確認されたオミクロン株感染数は448件、総数は1,200件を超えたという。10日のイギリス全体の新規陽性者数は58,198件で、その大半はデルタ株である。

政府にコロナ対策を助言する専門部会は10日、コロナワクチンを2回接種しただけではオミクロン株を防ぐことは難しいと警告した。

専門部会が公表したオミクロン株に関する初期データによると、既存のコロナワクチンを2回接種しただけではオミクロン株の「感染を防ぐ」ことは難しいという。一方、ブースターを接種した人は、約75%の確率でオミクロン株から保護された。

世界の主要な科学者たちは、「ワクチンを接種しても感染を100%防ぐことはできないため、ワクチン・マスク着用・社会的距離を組み合わせることが重要」と何度も警告している。

マイケル・ゴーヴ内閣府担当大臣は10日、「イギリスは深刻な状況に直面している」と述べ、10日に発効したマスクルールを擁護し、「政府は(全国封鎖の)検討を始めている」と明らかにした。

BBCニュースによると、政府は介護施設に関するガイダンスの見直しを進めているという。政府は昨年、介護施設への立ち入りを厳しく制限した。

保健当局は先日の声明で、既存のコロナワクチンはオミクロン株に対しても有効である可能性が高いと述べていたが、専門部会の初期データは政府の不安を煽った。

BBCによると、専門部会はオミクロン株とデルタ株の検体を使って、コロナワクチンがオミクロン株にどの程度機能するかを検証した。結果、アストラゼネカワクチンを2回接種してもオミクロン株を防ぐことは難しく、ファイザーの有効性も大幅に低下したという。

また初期データは、ブースターを接種しても保護率は75%程度であると示唆した。

健康安全保障局(UKHSA)などによると、イギリスのオミクロン株の症例数は2~3日周期で倍増しているという。UKHSAは10日、「対策を講じなかった場合、12月中旬までに国内の全症例の半分以上がオミクロン株に置きかわり、年末の新規陽性者数は10万件を超える可能性がある」と警告した。

ソーシャルメディアには「マスクルールを受け入れざるを得ない」という投稿が相次いで寄せられた。

一部の批評家は「保護率が75%でもマスクと社会的距離のルールを遵守すれば、それは20000%に上昇する」と主張し、政府を批判した。「なぜ学習しないのですか?科学者は必要に応じてマスクを着用し、距離を保てと言っています。ワクチンを接種し予防対策を徹底すれば20000%の確率で感染を防ぐことができます」

一方、政府の上級高官は、2020年12月18日に開催された「首相官邸クリスマスパーティ」で非難の嵐に直面し、ジョンソン首相からも厳しく非難された。当時、政府は厳格なコロナ規則を発効していた。

複数の報道機関は10日、ジョンソン首相の上級顧問ジャック・ドイル氏の補佐官がパーティに出席し、スタッフに「1年間よく働いたで賞」を授与したと報じた。

ドイル氏はジョンソン首相の保守党がパーティに関与したというメディアの主張を否定し、政府は常に規則を守っていたと述べた。

リーク映像によると、パーティに出席した上級高官たちは冗談を言い、語り合っていた。当時、政府は厳格なコロナ規則を発効し、国民にクリスマスパーティを控えるよう強く呼びかけていた。

一方、パーティ問題の「想定記者会見」で冗談を言う映像が流出した上級高官のアレグラ・ストラットン政府顧問は8日、涙の記者会見で国民に謝罪し、辞任した。

2021年11月27日/イギリス、ロンドンの首相官邸、ボリス・ジョンソン首相(Hollie Adams/Pool/AP通信)
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