◎10月16日の死亡者は1,002人、新規陽性者数も過去最高の33,208件、直近1週間の陽性者数は1日あたり約29,000件まで増加した。
2021年10月15日/ロシア、首都モスクワの医療機関前、コロナ患者を搬送する医療当局者(Getty Images/AFP通信)

10月16日、ロシアの1日あたりのコロナウイルス死亡者が初めて1,000人を超えた。

保健当局のまとめによると、10月16日の死亡者は1,002人、新規陽性者数も過去最高の33,208件、直近1週間の陽性者数は1日あたり約29,000件まで増加したという。

政府はコロナワクチン「スプートニクV」と「スプートニク・ライト」の接種を拒否する人々を非難し、宝くじ、ボーナス、その他のインセンティブで接種率の底上げを図っているが、成果はほとんど出ていない。

政府は全国規模の制限を避け、地方自治体に感染対策を講じるよう命じている。

ドミトリー・ペスコフ報道官は今週、「ワクチンの重要性を国民に説明し続ける必要がある」と述べ、デルタ株を抑えるためにはワクチンが必要不可欠と訴えた。

ペスコフ報道官は記者団に、「ワクチン拒否は本当に無責任であり、国民を殺します」と述べた。

保健当局によると、今のところ国の医療システムは正常に機能しており、中等症と重症者患者の増加に対応できているという。

しかし、ミハイル・ムラシュコ保健省は先日、デルタ株への感染を恐れ離職した医師や病院関係者にスプートニクVを接種し、職場に戻るよう促した。

政府はスプートニクVを昨年8月に承認したが、接種キャンペーンは驚くほどうまくいかず、接種を終えた人は人口の3分の1に届いていない。

最近行われた世論調査によると、回答者の半数以上がスプートニクVの接種を望まないと回答したという。

世界保健機関(WHO)と欧州医薬品庁はまだスプートニクVを承認していないが、著名な医学雑誌ランセットや米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士を含む世界の医療当局者はその効果を認めている。

しかし、スプートニクVを承認した一部の国は納期遅れの問題に直面し、接種計画の見直しを迫られている。

スプートニクVはファイザーやモデルナとは違い、1回目と2回目で異なる成分のワクチンを接種する。主要メディアによると、製薬会社は製造プロセスが複雑な2回目のワクチンの製造に苦労しているという。

多くのロシア人がスプートニクVに対する不信感を払しょくできず、WHOの承認が下りていないことも不安を掻き立てた。結果、一部のロシア人はワクチン接種ツアーを利用するようになったという。

ロシアのメディアによると、ビザなしで入国可能なセルビアへの旅が特に人気だという。セルビアはファイザーワクチンを採用している。

ロシアの累計死亡者数は約22万人、累計感染者数はまもなく800万件に達する。

州の統計機関Rosstatによると、累計死亡者数はコロナが主要因と見なされなかった死亡者を加えると40万人を超えるという。

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