◎ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計症例数は9月8日時点で4,060万件、累計死亡者は65万人を超えた。
7月4日にコロナウイルスからの独立を宣言したアメリカの希望に満ちた夏は予定より早く終了し、デルタ株は医療機関をねじ伏せ、1日あたりの死亡者は今年3月の水準に逆戻りした。
デルタ株は全米の学校に侵入し、医療機関を圧倒し、一部の州の新規症例と死亡者を過去最悪レベルまで押し上げている。対面授業を再開した学校では生徒の感染拡大が相次ぎ、一部の州は対面からオンライン授業に戻したと伝えられている。
マスクの着用義務化とワクチン接種をめぐる共和党主導の州政府と市民の争いは裁判所に持ち込まれ、脅迫と暴力を引き起こした。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計症例数は9月8日時点で4,060万件、累計死亡者は65万人を超えた。主要な研究団体は先日、国内の累計死亡者数は12月1日までに75万人を超えると試算した。
ジョー・バイデン大統領は7月4日の独立記念式典でコロナウイルスから解放されたことを祝い、共和党の指導者たちは一斉にマスクを脱ぎ捨てた。7月4日の新規陽性者数は2,922件、死亡者は37人、新規症例が3,000件を下回ったのは2020年3月中旬以来約1年4カ月ぶりだった。
エール公衆衛生大学院のステン・バームンド博士はAP通信のインタビューの中で、「ワクチン接種に対する厳しい抵抗と政治的な問題がデルタ株の感染拡大に拍車をかけた」と語った。「デルタ株はワクチン未接種者の間でより効率的に広がり、ワクチンの展開がもたらす効果をはるかに上回りました...」
疾病予防管理センター(CDC)によると、8月の症例数は420万件以上、死亡者は約26,800人に達したという。1カ月の症例数が420万件を超えたのは4度目。
またCDCは、「現在の感染拡大はまだピークを迎えておらず、50歳から64歳の死亡率が最も高い」と付け加えた。
現在の感染状況は今年1月のピークにはまだ達していない。冬のピーク時の新規症例は25万件以上、死亡者数は3,500人近くに達した。9月8日の直近7日間の平均症例は1日あたり約15万件、死亡者は約1,500人。
デルタ株の感染爆発が始まる前、一部の専門家は「社会的距離とマスクルールの緩和は慎重に検討した方がよい」と警告していた。
ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のデビッド・ダウディ博士は以前、「成人人口の約3分の2がワクチン接種を終えたとしても、十分ではない」と述べていた。
アメリカのワクチン展開は思うように進んでおらず、12歳以上で接種を終えた人は約60%にとどまっている。
サウスダコタ州ラピッドシティーの学校では2週間前に対面授業を再開して以来、学校関係者と生徒合わせて約300人が陽性と診断された。しかし、共和党が支配する同州の教育委員会は、学校関係者と生徒に2週間マスク着用を命じる提案を拒否した。
アメリカの経済は昨年の急落から回復しつつあるが、8月の新規雇用は急激に低下した。国民はデルタ株の拡大に伴い、旅行、買い物、外食への出費を控えている。
ノースカロライナ州でレストランを2軒営むケイティ・バトン氏はAP通信に、「地方自治体が課したマスク着用義務化を支持するが、従業員の不安を払拭することはできず頭が痛い」と語った。「私の店に屋外席はなく、従業員は皆、不安を抱えています」
「私たちは1歩前進し、3歩後退しました...」