◎独裁者と見なされているアレクサンダル・ヴチッチ大統領は声明の中で「私はトランプ大統領になる」と誓い、「ツイッターは私のアカウントを閉鎖しなさい」と挑発した。
2019年12月10日/セルビア、首都ベオグラードの政府庁舎、アレクサンダル・ヴチッチ大統領(Getty Images/AFP通信)

8月17日、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領はツイッター社に自分のアカウントを閉鎖(凍結)するよう命じた。

独裁者と見なされているヴチッチ大統領は声明の中で「私はトランプ大統領になる」と誓い、「ツイッターは私のアカウントを閉鎖しなさい」と挑発した。

かつて情報大臣を務めていたヴチッチ大統領はコソボ紛争中にジャーナリストを厳しく取り締まったことで有名になった。NGO国境なき記者団やその他の権利団体はヴチッチ政権を権威主義、独裁、非自由主義的民主主義体制と評価し、報道の自由の制限に強い懸念を表明している。

ヴチッチ大統領は、「ツイッター社は政府、泥棒、犯罪者、誰と協力すべきですか?」と尋ねた。「そう、彼らは政府と協力すべきです」

そして、ツイッターのラベル付けは「検閲」に他ならないと主張した。

ツイッター社はセンシティブな情報(メディア)と判断されるものや誤解を招くツイートにラベルを付け、ホーム画面からは内容を確認できないようにしている。ただし、ツイートをクリックすれば内容が表示される。

ウルトラナショナリストのヴチッチ大統領は10年前に政権を握って以来、セルビアのマスメディアをしっかりコントロールしてきた。

国営メディアを含むセルビアの親政府組織は国内で活動している独立系メディアを定期的に痛めつけ、「誤った情報を流す犯罪者集団は腐敗した野党勢力または西側勢力の支配下に置かれており、極めて危険」と主張している。

ヴチッチ大統領はツイッター社にラベル付けされた全てのメディアを祝福し、「ツイッターも私と同じように自由を愛している(訳:ツイッターも私と同じように報道の自由を制限している)」と嘲笑した。

ツイッター社は今年1月、米議会議事堂襲撃事件に関与した支持者を煽ったとして、ドナルド・トランプ前大統領のアカウントを凍結した。

ヴチッチ大統領が突然激怒した理由は明らかにされておらず、世界の主要メディアもアフガニスタン問題で忙しいためほとんど興味を示していないが、地元の独立系メディアによると、ヴチッチ大統領は政権寄りの親メディアの記事がラベル付けされたことに腹を立てた可能性が高いという。

2021年7月24日/アリゾナ州フェニックスで開催された選挙を守るための集会、ドナルド・トランプ前大統領(Getty Images/AFP通信/PAメディア)
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