◎8月9日時点のEUのワクチン総接種数は約4億8,500万回、少なくとも1回接種した人は人口の約61%、接種を終えた人は51%を超えた。
世界のコロナワクチン接種率などを追跡しているOur World in Dataによると、EUのワクチン接種率はスタートで大きくつまづいたにもかかわらず、アメリカを追い抜いたという。
2月中旬時点のEU加盟27カ国の接種率は4%未満、アメリカは約12%だった。
データによると、8月9日時点のEUのワクチン総接種数は約4億8,500万回、少なくとも1回接種した人は人口の約61%、接種を終えた人は51%を超えた。アメリカの1回接種率は約58%、完全接種率は約50%。
イタリアのマリオ・ドラギ首相は先週、12歳以上の完全接種率が約63%に達したと述べ、関係者と国民の努力を称賛した。「私は成功を祝うつもりはありませんでしたが、イタリアの接種率はアメリカ、ドイツ、フランスを完全に上回っており、祝わざるを得なくなりました...」
イタリアは6日にグリーンパスプログラム(ワクチンパスポート規則)を発効した。これにより、イタリアの居住者は屋内レストラン、ジム、コンサート、劇場、美術館、観光施設などを利用する際にパスポートの提示が必要になった。
<イタリアのグリーンパス取得条件>
・少なくとも1回コロナワクチンを接種した人。
・コロナに感染し回復したと証明できる人。
・最近PCR検査で陰性と診断された人。
EU当局はイタリアやその他の加盟国のワクチン展開が順調に進んでいることについて、「国民皆保険とワクチンの安全性を国民に辛抱強く伝え続けたことが成功につながった」と分析している。
EUのワクチン緊急使用許可はアメリカより数週間遅く、さらにアストラゼネカワクチンの供給が予想より遅れた影響でワクチン接種率はなかなか伸びなかったが、欧州委員会を含む関係当局は問題をひとつずつ解決し、体制を整え、接種率の引き上げに成功した。
スペインの4月中頃の接種率は7%未満だったが、8月9日時点の完全接種率は人口の60%を超えた。
ポルトガルの保健当局は先日、今夏の終わりまでに完全接種率70%を達成できる見通しと発表した。
ただし、全てのEU加盟国の接種が順調に進んでいるわけではなく、ブルガリアの完全接種率は20%に届いていない。
ドイツの完全接種率は54%を超えたが、現在の1日あたりの接種数は5月のピーク時の約半分に減少している。保健当局は複合施設やスーパーマーケットなどにワクチン接種センターを設置し、接種した人にブラートヴルスト(ソーセージ)を無料プレゼントするキャンペーンを開始した。
一方、ファイザーとモデルナワクチンを世界に展開したアメリカの接種状況は誤った情報と政治的な問題の影響で後退しており、一部の共和党員による反抗的なキャンペーンはジョー・バイデン大統領の悩みの種になっている。
アメリカの現在の1日あたりの接種数は約60万回でピーク時の5分の1以下に減少した。