◎アメリカの新規陽性者数は増加傾向にあり、直近1週間の平均症例数は57,000件を超えた。
2020年3月6日/ジョージア州アトランタの疾病管理予防センター(CDC)本部(Getty Images/AFP通信)

7月27日、米疾病予防管理センター(CDC)はガイドラインをいくつか修正し、コロナウイルスの感染拡大が続く一部地域ではワクチン接種の有無にかかわらず屋内でマスクを着用するよう推奨した。

またCDCは声明の中で、ワクチン接種を終えた人もコロナに感染するリスクがあることと、デルタ株の急拡大およびそれに関する新しい情報を引用し、「ワクチン接種の有無にかかわらず、全ての教師、学生、学校関係者、および学校を訪問する人にマスクの着用を推奨する」と国民に呼びかけた。

アメリカの新規陽性者数は増加傾向にあり、直近1週間の平均症例数は57,000件を超えた。

現在の感染拡大は主にワクチン未接種が引き起こしている。しかしCDCは、先月国内に定着し、現在の全症例の約83%を占めるデルタ株はこれまでの従来株や他の変異種とは異なると警告した。

CDCのロシェル・ワレンスキー所長は最新の調査で判明した新しい科学データと他国のデータを引用し、ワクチン接種を終えた人に再びマスクの着用を推奨するという当局の決定を擁護した。

ワレンスキー所長は記者団に対し、「データはワクチン接種を終えた人もデルタ株に感染し、ウイルスを周囲に拡散する可能性があることを示しています」と語った。「残念ながらこの新しいデータを無視することはできず、私たちはガイドラインを更新するという結論に達しました...」

CDCは2か月前、ワクチン接種を終えた全てのアメリカ人は屋内でもマスクを外すことができるとガイドラインを見直し、学校向けのガイドラインもその原則に従った。ただし、バス、飛行機、病院、刑務所、ホームレスシェルターなどの混雑する屋内施設ではマスクの着用を求めていた。

CDCは学校向けガイドラインの中で、ワクチン接種を終えた個人は、サマーキャンプや学校内でマスクを着用する必要はないと述べていた。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は27日、CDCはデルタ株の感染拡大と新しいデータに基づき、ガイドラインを見直したと述べた。「それがCDCの仕事です。CDCはコロナウイルスのありとあらゆる情報を調査し、国民にガイドラインを提供します...」

サキ報道官は記者団に対し、「ワクチン接種を終えた人々が重篤な症状、入院、そして死のリスクから保護されているという事実は変わりません」と強調した。

一部の公衆衛生専門家は、「CDCの5月の決定は優れた科学に基づいており、データはワクチン接種を終えた人々がコロナを拡散する可能性は比較的低く、コロナに感染しても重症化するリスクはさらに低いことを示している」と述べた。

しかし、そもそもマスクを着用したくないワクチン未接種者たちはCDCのガイドラインを自分の都合の良いように解釈したため、ガイドラインが現在の感染拡大を引き起こしたと見なすこともできると指摘した。「全てのワクチン未接種者が責任を持って行動していれば、感染はここまで拡大しなかったでしょう...」

ジョージタウン大学の公衆衛生専門家であるローレンス・ゴスティン教授も同様の結論に達した。「私たちはCDCのガイドラインを歓迎し、マスクを外すことができると喜びました。マスクを嫌悪しているワクチン未接種者も喜びました。そして感染は再拡大したのです」

専門家たちは、マスクを最も必要とするワクチン未接種者の行動を変えることは難しいと述べた。

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