◎警察当局は声明で、「出火元は病棟内に設置された酸素ボンベの配線」と明らかにした。
イラクの地元メディアは13日、南東部の都市ナーシリーヤのアルフセイン病院で発生した火災の死者は92人に達したと報じた。
火災は11日深夜に同病院のコロナウイルス隔離病棟で発生した。警察当局は声明で、「出火元は病棟内に設置された酸素ボンベの配線」と明らかにした。
一方、地元メディアによると、当局は病院関係者および州の医療関係者13人の逮捕状を発行したという。その中には州の保険局長も含まれていると伝えられている。
ムスタファ・アル=カーズィミー首相は12日、「病院長の身柄を確保するよう命じた」と述べ、「全てのイラク人が心に深い傷を負った」と犠牲者に哀悼の意を表した。
保健当局によると、負傷者は100人以上にのぼるという。
アルフセイン病院の関係者はAP通信の取材に対し、「このコロナ病棟は3カ月前に開設されたばかりで、患者を最大70人収容することができる」と述べていた。
イラクでは今年4月にも首都バクダッドの病院で大規模な火災が発生し、80人以上が死亡した。この火災後、当時のハッサン・アル・タミミ保健相は責任を取って辞任した。
火災で家族4人と隣人2人を亡くした男性はAFP通信の取材に対し、「何に怒りをぶつければよいのか分からない」と涙を流しながら語った。「私の家族は病院で焼け死にました。病院は患者を助けるところではないのですか?」
親戚を失ったアブ・ヌール・アル・シャウィ氏は、「病院はコロナ患者の焼死体を家族に返した」と憤慨した。「コロナの治療のために隔離された患者は黒焦げになり、棺桶に入れられました。信じられません...」
「この病院には火災警報器もスプリンクラーも非常出口もありません。私たちは病院関係者にたばこの残り火や雷で火事が発生するかもしれないと何度も警告しましたが、彼らはお金がないと言い、何も手を打ちませんでした」
イラクの医療サービスは戦争、イスラムジハード軍のテロ攻撃、政治家の怠慢と腐敗の影響で荒廃しており、国民はまともな治療や診察にアクセスできずにいる。
イラクの7月12日の新規陽性者数は初めて9,000件を超えたが、死亡者は50人以下を何とか維持している。累計感染者数は約144万件、累計死亡者数は17,592人、少なくとも1回ワクチンを接種した人の割合は人口の2%未満。