EUはワクチン供給の遅れを理由にアストラゼネカ社を訴える

◎報告によると、アストラゼネカ社は2021年第1四半期（1月～3月）までにEUにワクチン8,000万回分を供給する予定だったが、実績は3,000万回にとどまったという。

4月26日、欧州委員会はEU加盟27カ国との契約を尊重しなかったとして、コロナワクチンを製造しているアストラゼネカ社に対して訴訟を起こすと発表した。

アストラゼネカワクチンはヨーロッパの予防接種キャンペーンの中心であり、貧しい国々にワクチンを届ける世界的な戦略の要にもなっている。しかし、供給の遅れはヨーロッパ人を苛立たせており、EUはワクチンの展開の遅れが感染の再拡大につながったと主張し、責任を負わせると誓約した。

アストラゼネカ社は声明で、「EUの訴訟にはメリットがない」と述べた。「法的措置は大きな間違いであり、当社は法廷で自らを強力に擁護します...私たちは訴訟にはメリットがないと考えており、一連の問題を法廷で解決できることを歓迎します」

EUはワクチンの供給の遅れに悩まされている。一部の加盟国はアストラゼネカ社はイギリスを優遇していると主張したが、同社はこの主張を否定している。

一方、アメリカのジョー・バイデン大統領は26日、アストラゼネカワクチンが連邦審査を通過次第、契約した同ワクチン6,000万回分を他国と共有すると発表した。米食品医薬品局（FDA）は審査を続けている。

欧州委員会のステファン・デケースマーカー報道官は声明で、「訴訟手続きは4月23日に始まりました」と述べた。「EU27カ国は訴訟を支持しています」

EUは昨年8月、アストラゼネカ社とコロナワクチン3億回分の契約を締結し、さらに1億回分を追加契約した。

1月、アストラゼネカ社は生産上の問題が発生した影響で供給量が当初の予定を下回ると発表した。報告によると、同社は2021年第1四半期（1月～3月）までにEUにワクチン8,000万回分を供給する予定だったが、実績は3,000万回にとどまったという。

＜EUーアストラゼネカの契約と実績＞
・契約：第1四半期までに8,000万回
・実績：　  　〃　　　　3,000万回

・契約：第2四半期までに1億8,000万回
・予定：　  　〃　　　　7,000万回

デケースマーカー報道官は、「いくつかの契約の条項は尊重されていません」と述べた。「EUは契約通りにワクチンが供給されることを望んでいます。アストラゼネカ社は約束を守らなければなりません」

EU保健委員のステラ・キリヤキデス氏は声明で、「アストラゼネカ社はワクチンを確実に供給すると保証しなければならない」と強調した。「ワクチンの供給量は接種計画に大きな影響を与えます。供給の遅れは死につながるでしょう」

＜ワクチン接種数／少なくとも1回接種した人の割合／4月27日時点＞
アメリカ：2億2,900万回／42％
中国：2億2,500万回／9％
インド：1億3,900万回／9％
イギリス：4,600万回／50％
ブラジル：3,800万回／13％
ドイツ：2,500万回／23％
トルコ：2,100万回／16％
ロシア：1,800万回／8％
イスラエル：1,000万回／62％
日本：270万回／1％

世界：10億300万回／7％
アジア：4億7,200万回／4％
北米：2億6,200万回／28％
ヨーロッパ：2億400万回／20％
EU：1億3,100万回／21％
南米：6,900万回／11％
アフリカ1,700万回／1％

アストラゼネカ（オックスフォード）のワクチンについて

・2回接種する必要がある。

・冷蔵庫で保存できる。

・超低温保存を必要としないため、輸送しやすい。

・18歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。

・他社のワクチンより安い。