◎爆発から数時間後、パキスタンのタリバンは声明で「自爆テロを決行した」と主張した。
現地メディアによると、パキスタン南西部のバルチスタン州クエッタにある高級ホテルの駐車所で爆弾が爆発し、少なくとも4人が死亡、12人が負傷したという。
爆発から数時間後、パキスタンのタリバンは声明で「自爆テロを決行した」と主張した。同グループはアフガニスタンなどで活動するイスラムジハード組織のタリバンとは別のグループである。
パキスタン警察のアズハル・アクラム氏は、「セレナホテルの駐車場に駐車されていた自動車に爆弾が仕掛けられていた可能性がある」と述べた。
別の治安当局者はAP通信の取材に対し、「対象の車両は駐車場に入ってから数分後に爆発した」と述べた。「自爆テロかどうかは調査中であり、事件の詳細は後日公表します」
州の保健当局によると、セレナホテルの宿泊客にケガはなかったという。現地メディアは、パトロール中の警察官が爆発に巻き込まれたと報じたが、4人の身元は明らかにされていない。
バルチスタン州は、バルチスタン解放戦線や同解放軍などの分離主義組織が活動している地域である。組織は何十年もの間、独立を求め政府に攻撃を繰り返してきた。パキスタンのタリバンとその他のイスラムジハード組織も同州を拠点にしている。
一方、シェイク・ラシード・アーメド内務相は声明で、ホテルの爆破にはインド政府が関与していると主張したが、証拠は提供しなかった。アーメド内務相によると、首都イスラマバードなどで大規模なテロ攻撃が計画されているという情報を入手したため、警備体制を強化するよう関係当局に指示したという。
バルチスタン州政府の報道官は爆発をテロと呼んだが、パキスタンのタリバンの犯行かどうかについては言及しなかった。「テロリストはバルチスタン州の進歩と発展をうらやんでいる者たちです。彼らは逮捕されるでしょう」
州の内務省は声明で、「セレナホテルには中国大使のノン・ロン(農 融)氏が滞在していたが、大使を含む中国当局者にケガはなかった」と述べた。爆発が中国大使を狙ったものかどうかは不明。
セレナホテルはクエッタで唯一の高級ホテルであり、外国の要人も頻繁に利用するという。
バルチスタン州はイランとアフガニスタンに接しており、爆発の数時間前にイランと同州間の新しい国境検問所が運用を開始したばかりだった。
パキスタンのタリバンは、9.11同時多発テロとアメリカ主導の対テロ戦争の開始以来、国内の軍人と民間人への攻撃を繰り返している。