◎ハンガリーは欧州委員会が調達するファイザーやアストラゼネカワクチンだけでなく、中国のシノバックやロシアのスプートニクVなども独自に調達し、市民に積極的にワクチンを接種するよう呼び掛けてきた。
2021年3月29日/ハンガリー、首都ブダペストの物量拠点、中国のコロナワクチンを運ぶ従業員(NoemiBruzak/MTI/AP通信)

欧州疾病予防管理センター(ECDC)の統計によると、ハンガリーのコロナワクチン接種率はEUの中で群を抜いて高いが、10万人あたりの死亡者数も世界トップクラスを維持しているという。

ECDCは報告の中で、ハンガリーでコロナワクチンを少なくとも1回接種した人は総人口の約21.6%に達し、他のEU加盟国を大きく上回っていると述べた。

<国名/人口/コロナ累計死/10万人あたりの死者数:3月30日時点>
・アメリカ 3.28億人 55万人 167.7
・ブラジル 2.08億人 31.2万人 150人
・メキシコ 1.26億人 32.1万人 254.7人
・ハンガリー 977万人 2万人 204.7人
・チェコ 1,070万人 2.6万人 243人
・東京都 927万人 1,700人 18.3人
・日本 1.26億人 9,050人 7.2人

ハンガリーは欧州委員会が調達するファイザーやアストラゼネカワクチンだけでなく、中国のシノバックやロシアのスプートニクVなども独自に調達し、市民に積極的にワクチンを接種するよう呼び掛けてきた。

オルバーン・ヴィクトル首相は欧州委員会のワクチン展開スピードを何度も批判し、「EUも東側諸国のワクチンを積極的に取り入れるべき」と強く主張していた。ハンガリーはEUで初めて中国とロシア産ワクチンの緊急使用を承認し、ワクチン供給量を増やすことに成功した。

ヴィクトル首相は3月26日のラジオインタビューの中で、「ワクチンの接種は順調に進んでおり、他のEU加盟国を大きく上回っています」と述べた。「ロシアと中国はワクチンを契約通りに供給しています。EUはイデオロギーや価値観の違いを理由に良いワクチンを無視していますが、臨床試験の結果を公表しているものは積極的に取り入れるべきです」

ハンガリー政府は先週、中国のカンシノ・バイオロジクスワクチンとインドのコビシールドワクチンの緊急使用を承認した。これにより、同国が承認したコロナワクチンは7つになった。

ヴィクトル首相はワクチンさえあればコロナとの戦いに勝てると主張し、「接種を加速させることで集団免疫を速やかに確立し、日常を取り戻す」と述べている。しかし、新規感染者数と死亡者数は一向に減少せず、3月28日の死亡者数は過去最高を更新する220人に達した。

中央ヨーロッパの他の国々は感染者の急増を抑えるために制限を継続しているが、ハンガリー政府は困難な状況が続いているにもかかわらず、3月26日に制限を緩和すると発表した。

ヴィクトル首相はラジオインタビューの中で、「ハンガリーは夏までに日常を取り戻し、また旅行を楽しめるようになるでしょう」と述べた。

政府の計画によると、必要不可欠でない店舗は入店制限付きでの再開を許可され、夜間外出禁止令は2時間短縮されるという。保健相は、ワクチンの初回投与数が250万回を超えた時点で新たな緩和措置を実施すると述べた。

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