◎医学雑誌ランセットはスプトーニクVの臨床試験フェーズ3の中間分析結果を初めて公表した。
◎昨年8月、ロシアはスプトーニクVの臨床試験フェーズ3の結果を公表せずに使用を承認し、科学界から非難を浴びた。
AFP通信/ロシア産コロナワクチン「スプトーニクV」

医学雑誌ランセットが2月2日に発表した研究結果によると、ロシア産コロナワクチン「スプトーニクV」の接種者は91.6%の確率で保護されることが分かったという。

ランセットはスプトーニクVの臨床試験フェーズ3の中間分析結果を初めて公表した。研究は19,866人の参加者から採集したデータに基づいており、そのうち約4分の3(14,964人)がスプトーニクVを2回接種し、4分の1(4,902人)がプラセボを接種したという。

その後、ワクチン接種完了から21日後に全接種者を調査したところ、スプトーニクVの接種者で陽性と診断された者は16人、プラセボは62人だった。結果、スプトーニクVの保護率は約91.6%だということが明らかになった

<スプトーニクVの保護率>
①Vの接種者14,964人のうちコロナ感染者は16人(感染率0.11%)

②プラセボ接種者4,902人のうちコロナ感染者は62人(感染率1.27%)

③プラセボ接種者が14,964人だった場合、コロナに感染者する者は約190人

④Vを接種することで感染者は174人減少した(190人ー16人)。保護率は91.57%

この試験には60歳以上の市民が2,144人参加しており、このグループでサブ分析を行ったところ、保護率は91.8%だったという。

また、スプトーニクVを投与してから21日後の時点で、重症者および中等度の症状の者はゼロだった。なお、プラセボ接種者では20人確認されている。

ワクチン接種による主な副反応は、注射部位の痛み、インフルエンザ様症状、倦怠感などの軽度なもので、重篤な副反応は現時点では報告されていない

研究著者は報告の中で、ワクチンの保護期間などの調査を続けると述べた。

2020年12月17日 EPA通信/ロシア、首都モスクワの世界貿易センター

スプトーニクVは、1回目と2回目の接種に異なるアデノウイルスを使用するアデノウイルスベクターワクチンである。ジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチンも同じ手法を採用している。

科学者によると、アデノウイルスベクターワクチンの利点の1つは、超低温保存および輸送を必要としないことだという。

レスター大学の臨床ウイルス学者であるジュリアン・タン博士は報告の中で、「スプトーニクVは臨床試験結果を公表することで有効性を証明した」と述べた。

ジュリアン・タン博士:
「ただし、追跡調査期間が短いため、この研究だけでワクチンの保護期間を評価することはできない」

スプトーニクVは、ロシア、ベラルーシ、セルビア、アルゼンチン、ボリビア、アルジェリア、ベネズエラ、パラグアイ、トルクメニスタン、ハンガリー、アラブ首長国連邦、イラン、ギニア、チュニジア、アルメニア、パレスチナ自治区で承認されている。報告によると、世界中で200万人以上がこのワクチンを接種したという。

昨年8月、ロシアはスプトーニクVの臨床試験フェーズ3の結果を公表せずに使用を承認し、科学界から非難を浴びた。

スプトーニクVの生産に資金を提供し、世界への販売を担当するロシア直接投資基金(RDF)はランセットの報告を歓迎した。

RDFのキリル・ドミトリエフCEOは声明で、「保護率90%以上のワクチンは世界に3つしかなく、スプトーニクVはその有効性を世界に証明した」と述べた。

キリル・ドミトリエフCEO:
「ランセットの研究で、スプートニクVが世界初のコロナワクチンであること、最高のコロナワクチンの1つであること、そしてロシアの科学力の高さが証明された」

スプトーニクVについて

・接種者の保護率は約91.6%。

・60歳以上の保護率は91.8%。

・2回接種する必要がある。

・冷蔵庫で保存できる。

超低温保存を必要としないため、輸送しやすい

・18歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。

種類保護率
接種回数
試験数
(公表数)
保管条件
期間
費用
ファイザー95%
2回
43,538人-75℃
5日
20ドル
モデルナ94.5%
2回
30,000人-20℃
6カ月
33ドル
オックスフォード62-90%
2回
24,000人冷蔵庫
4ドル
スプトーニクV91.6%
2回
19,866人冷蔵庫
10ドル
ノババックス89.3%
2回
15,000人冷蔵庫

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