◎ロサンゼルス郡の累計感染者数はオランダ(世界19位)より多く、累計死亡者数は世界28位に相当する。
◎カリフォルニア州の累計感染者数は1月9日時点で267万人(世界7位)、累計死亡者数は29,478人(世界17位)。8日の新規陽性者数は50,030件、死亡者は493人だった。
米主要メディアの報道によると、カリフォルニア州ロサンゼルス郡のコロナウイルス新規症例および死亡者数は世界でも群を抜いているという。
同郡の保健当局は、1月9日に累計感染者数が90万人を超えたと発表した。また、同日の死亡者は221人で、累計死亡者数は12,084人に達したという。
ロサンゼルス郡の累計感染者数はオランダ(世界19位)より多く、累計死亡者数は世界28位に相当する。
郡内の病院に入院しているコロナ患者は1月9日時点で7,966人、そのうち22%が集中治療室(ICU)で治療を受けている。
同郡のバーバラ・フェラー保険局長は声明で、「ロサンゼルス郡は壊滅的な状態にある。コロナの患者と死者の増加速度は世界でも群を抜いており、極めて厳しい状況と言わざるを得ない。この深刻なパンデミックはクリスマスと年末の休暇がもたらした」と述べた。
保健当局によると、ロサンゼルス郡はこれまでに496万人を検査し、陽性と診断された人は約17%だったという。
感染爆発に直面する南カリフォルニアではコロナウイルス変異種の確認も相次いでおり、最前線で働く医療従事者は「限界を感じている」と述べている。
救急医療技術者として働くイスマエル・ビレガス氏はABCニュースの取材に対し、「ここはまるで戦争地帯のようです。部屋には複数の患者がいます。遺体安置所も満室です。彼らは運び出されず、自分の順番を待っています」と述べた。
ある救急救命士は、瀕死の状態にあるコロナ患者を救急車に乗せた状態で17時間待機したという。
南カリフォルニアの多くの救急救命士が、地域の病院に到着してからの長い待ち時間に直面している。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、カリフォルニア州の累計感染者数は1月9日時点で267万人(世界7位)、累計死亡者数は29,478人(世界17位)。8日の新規陽性者数は50,030件、死亡者は493人だった。
イギリス発のコロナウイルス変異種は、カリフォルニア州ともうひとつの震源地、テキサス州を含む計8州で確認されている。
テキサス州ハリス郡のリーナ・イダルゴ氏は、「変異種は、すでに危険な状態にある地域の医療機関を壊滅させるかもしれない」と警告した。
24時間体制で働いているロサンゼルス郡の救急救命士は、「皆疲れ果てている。私たちはコロナに打ちのめされている」と述べた。
救急車のオペレーションディレクターを務めるビル・ウェストン氏はABCニュースの取材に対し、「救急車の後ろに12時間横たわり苦しんでいる95歳の女性を見ました」と語った。
ビル・ウェストン氏:
「病院に空き部屋はなく、私たちは何もできませんでした」
「私はハリケーンカトリーナとハリケーンリタの被災地で活動しました。しかし、今の郡の状況はあの時よりはるかに悪いです」
【世界の感染状況/2021年1月10日時点】
累計感染者 | 累計死亡者 | 新規感染者 (直近) | |
世界 | 8,950万人 | 192万人 | - |
アメリカ | 2,220万人 | 37.2万人 | 310,080人 |
インド | 1,047万人 | 15.1万人 | 18,139人 |
ブラジル | 801万人 | 20.1万人 | 52,035人 |
ロシア | 332万人 | 60,067人 | 23,330人 |
イギリス | 296万人 | 79,833人 | 68.053人 |
日本 | 27.5万人 | 3,746人 | 7,790人 |
カリフォルニア州の制限(外出禁止令)
対象はICUの占有率が85%を上回った地域。以下の施設はすべて閉鎖。
・屋内と屋外の遊び場
・屋内レクリエーション施設
・ヘアサロンと理髪店
・パーソナルケアサービス
・博物館、動物園、水族館
・映画館
・ワイナリー
・バー、醸造所、蒸留所
・ファミリーエンターテインメントセンター
・ギャンブル関連施設
・限定サービス
・ライブオーディエンススポーツ
・遊園地
次の施設は感染予防対策(マスク、社会的距離)を徹底したうえで、営業可能。
・屋外レクリエーション施設: 屋外営業のみ許可。食べ物、飲み物、アルコールの販売は禁止。キャンプ場での宿泊も禁止。
・小売、ショッピングセンター: 店舗内での飲食は禁止。容量20%以下を順守。慢性疾患を持つ人、免疫力の低下した高齢者、その他の脆弱な人々のために特別な対策が必要。
・ホテルと宿泊施設: 重要なインフラストラクチャのサポートでのみ営業可能。
・レストラン: テイクアウトまたはピックアップのみ許可。
・事業: テレワークでの作業が不可能な重要なインフラストラクチャセクターは継続。その他の企業はテレワークのみ許可。
・礼拝所: 屋外のみを許可。
・プロスポーツを含むエンターテインメント制作: 観客なしであれば許可。
・学校:原則オンライン授業。ただし、対応できない学校は対面授業を継続。