▽シェインバウム氏はトランプ氏との対話について、「これまでのところ、それは結果をもたらしているし、これからもそうなると思う」と述べ、「今後も敬意ある対話を維持する」と強調した。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は9日、首都メキシコシティの集会でトランプ米政権との「対話」を強調し、主権を守るために「冷静」に必要な措置を講じると約束した。
シェインバウム氏はメキシコ国民が米経済に与える経済的貢献を強調。「米国の関税の一時停止を実現するうえで、対話と尊重が勝った」と語った。
またシェインバウム氏は「私たちは主権を放棄することはできないし、外国政府や覇権主義者の決定によって国民が左右されることもない」と述べ、主権と独立をアピールする何千人もの支持者に向けて拳を突き上げた。
さらに、「両国の歴史は敵対的なエピソードだけでなく、多くの協力と理解のエピソードにも彩られている」と述べた。
トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、メキシコとカナダの輸入品に対する25%の関税を発動。中国には10%の追加関税を課した。
シャインバウム氏はこの事態を受け、報復を示唆しながらも、対抗措置の発表を9日の集会まで待つとした。
トランプ氏は2日後、メキシコとカナダに対する25%の関税について、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)対象の製品に関しては4月2日まで関税を免除する」と発表した。
トランプ氏は会見の中でシェインバウム氏との電話会談に言及。「素晴らしい話し合いができた」と述べていた。
シェインバウム氏はトランプ氏との対話について、「これまでのところ、それは結果をもたらしているし、これからもそうなると思う」と述べ、「今後も敬意ある対話を維持する」と強調した。
トランプ氏は鉄鋼とアルミニウムに対する25%の関税について、「予定通り3月12日に発動する」としている。すべての国が対象となる予定だ。
トランプ氏はメキシコとカナダのフェンタニルと不法移入対策に不満を示し、両国が必要な措置を取るまで関税を続けると警告している。
トランプ氏はフェンタニルと不法移民の流入を阻止するために国境警備を強化。中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定したり、不法移民を本国や第三国に送還している。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。
米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。
メキシコ政府は米国境に1万人規模の軍隊を展開。カナダ政府もフェンタニル対策を強化した。
米国に流入するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸してきた。