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▽ミレイ氏は2週間前、怪しげな暗号通貨「$LIBRA」への投資を推奨する声明をX(旧ツイッター)に投稿をした。
2025年2月20日/米メリーランド州の保守政治行動会議(CPAC)、チェーンソーを掲げるアルゼンチンのミレイ大統領(AP通信)

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領が暗号通貨スキャンダルで躓き、今年の議会選挙で躍進を狙う右派政党に冷や水を浴びせた。

ミレイ氏は先週、米国の保守系集会に出席。親友のマスク(Elon Musk)氏に大好きなチェーンソーをプレゼントし、アルゼンチンの債務と左翼を「ぶった切る」と誓った。

ミレイ氏は2週間前、怪しげな暗号通貨「$LIBRA」への投資を推奨する声明をX(旧ツイッター)に投稿をした。

この直後、$LIBRAの価格は1枚あたり5ドル近くまで急騰した。

しかし、数時間後には1ドル以下に急落。多くの投資家が損失を被った。

ミレイ氏は投稿の中で、「このコインは中小企業や新興企業に資金を提供することで経済成長を促すことを目的としている」と述べた。

しかし、ミレイ氏は数時間後にその投稿を削除。$LIBRAの価値は暴落し、投資家に40億ドル以上の損失をもたらしたとされる。

$LIBRAは「vivalalibertadproject.com」というウェブサイトにアクセスすることで入手できる。

専門家は一連のトラブルについて、暗号通貨の開発者が著名人の発言を利用して価値を吊り上げ、集まった資金を持ち逃げする「ラグプル」の可能性があると指摘している。

ラグプルは開発者がNFT(非代替性トークン)プロジェクトを立ち上げ、投資を募って資金を集めた後、突然プロジェクトを放棄し、資金を持ち逃げする詐欺である。

ミレイ政権は「大統領も騙された」と主張し、$LIBRAとのビジネス上のつながりを否定している。

ミレイ氏はXでこの暗号通貨を宣伝し、多くの投資家に不利益を被らせたとして刑事告発された。連邦裁判所が調査している。

ミレイ氏の緊縮財政は低中所得者層に厳しい現実を突きつけたが、インフレ率の解消や10数年ぶりに財政黒字を達成するなど、公約を高く評価する人もいた。しかし、今回の暗号通貨トラブルについては、一部の右派層もミレイ氏を非難している。

複数の地元メディアによる最新の世論調査によると、ミレイ氏の支持率は30~45%で推移している。右派系メディアの世論調査では支持率はわずかに低下しただけだったが、好感度は46%から36%に急落した。

暗号資産取引追跡ツール「チェイナリシス(Chainalysis)」は先週、$LIBRAに集まった約9900万ドル(約150億円)が引き出されたと明らかにした。

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