▽事件は州都クエッタ郊外の地区で8日に発生。武装集団が政府庁舎を占拠し、近くの銀行を襲い、警察署に火を放った。
パキスタン南西部バルチスタン州で武装集団が政府庁舎、警察署、銀行を襲撃した。警察が9日、明らかにした。
事件後、同州の反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。
警察によると、事件は州都クエッタ郊外の地区で8日に発生。武装集団が政府庁舎を占拠し、近くの銀行を襲い、警察署に火を放ったという。
武装集団は治安部隊が到着する前に現場から逃走。警察によると、ケガをした人はいなかったという。
州警察の報道官は声明で、「テロリストは治安部隊が到着する前に現場を離れた」と述べた。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
アフガニスタンと国境を接するバルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州ではこの数カ月、テロ攻撃が急増しており、その多くにBLAとTTP(パキスタンのタリバン運動)が関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
バルチスタン州は石油と鉱物資源に恵まれているものの、同国で最も人口が少なく、インフラ開発もほとんど進んでいない。