▽武装集団はアフガニスタン国境近くで労働者を乗せたバンを襲撃し、16人を拉致。バンを燃やして逃走した。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で正体不明の武装集団が採掘事業に従事する労働者16人を拉致した。警察が9日、明らかにした。
それによると、武装集団はアフガニスタン国境近くで労働者を乗せたバンを襲撃し、16人を拉致。バンを燃やして逃走したという。
州警察は声明で、「誘拐された16人は近くの工事現場で働く労働者で、現場に向かう途中、待ち伏せ攻撃に遭ったようだ」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
AP通信は当局者の話しとして、「16人は原子力委員会に関連する工事を請け負った業者の従業員とみられる」と伝えている。
政府と原子力委員会はコメントを出していない。
数時間後、武装集団は拉致した労働者の何人かを映した動画を地元テレビ局に送った。
その動画には誘拐犯の解放要求を受け入れるよう当局に求める1人の男の姿が映っていたが、その要求が何であるかは不明であった。
武装勢力の正体は明らかになっていないものの、この数カ月、治安部隊への攻撃を強化しているTTP(パキスタンのタリバン運動)に疑惑の目が向けられそうだ。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。