◎ニマ・リンジさんは今月初め、ヒマラヤ山脈のシシャパンマ(標高8027メートル)の登頂に成功。14座を制覇し、2019年に30歳で達成したネパール人登山家の最年少記録を更新した。
世界の8000メートル峰14座を最年少で登頂したネパールのニマ・リンジ・シェルパ(Nima Rinji Sherpa、18歳)さんは25日、登山界の名声を勝ち得たシェルパ族がポーターやガイドだけでなく、アスリートや遠征隊のリーダーとして登山を行うべきだと訴えた。
シェルパはネパールの少数民族のひとつ。人口は15万人ほどで、ネパールの総人口の0.5%を占める。
ニマ・リンジさんはAP通信の取材に対し、「シェルパは常にクライマーをサポートする存在であり、遠征隊のリーダーとして登山を行うことはほとんどない」と語った。
ニマ・リンジさんは今月初め、ヒマラヤ山脈のシシャパンマ(標高8027メートル)の登頂に成功。14座を制覇し、2019年に30歳で達成したネパール人登山家のミンマ・ギャブ・デビッドシェルパ(Mingma Gyabu 'David' Sherpa)さんの最年少記録を更新した。
ニマ・リンジさんはAPに、「この数十年、シェルパがチームリーダーとして遠征隊を率いたことはなかった」と述べたうえで、「その流れを変えるためのキャンペーンを始めた」と明らかにした。
「私のような世代には可能性があります。なぜなら、私たち以前の世代が得られなかったもの、良い教育を受け、気候変動や山に関して何が起こっているかを理解することができるからです」
ニマ・リンジさんは現在、2人のチームメイトとともに、2度目の14座完全制覇を目指す準備を進めている。
それは前回よりさらに過酷で、サポートスタッフ、ロープ、補助酸素を持たず、すべての装備を自分たちで運び、頂上までの道を自分たちで作るつもりだという。
ニマ・リンジさんによると、冬登山の前にいくつかの小さな山で体調を整え、来週最初の8000メートル峰に挑戦する予定だという。
ニマ・リンジさんは登山家一族の出身。実家はネパール最大の登山遠征会社を経営している。叔父は南アジア人として初めて14座を登頂。父親は最高峰エベレスト(標高8848メートル)を8回登頂している。