◎レバノンでは17日と18日にポケベルやトランシーバーなどの機器が一斉に爆発。少なくとも37人が死亡、3000人以上が重軽傷を負った。
2024年9月19日/レバノン南部、イスラエル軍の空爆(Getty Images/AFP通信)

イスラエル軍が19日、レバノンの親イラン組織ヒズボラの拠点を空爆した。

同軍は声明で、「ヒズボラに対する数百回の攻撃を実施し、武器貯蔵施設を含むレバノン南部にある少なくとも30のヒズボラ拠点を空爆した」と述べた。

また同軍は「今後もヒズボラのテロ攻撃に対処し続ける」とした。「イスラエル軍は現在、ヒズボラのテロ能力と武器生産能力を低下させるため、南部の拠点を標的とする作戦を実施中。ヒズボラは何十年もの間、民家を兵器化し、その地下にトンネルを掘り、市民を人間の盾として利用してきた...」

イスラエル政府は同国北部の市民に対し、不要不急の外出を控え、避難所や保護地域にとどまるよう促した。

レバノンでは17日と18日にポケベルやトランシーバーなどの機器が一斉に爆発。少なくとも37人が死亡、3000人以上が重軽傷を負った。

ヒズボラはイスラエルの破壊工作と非難しているが、その証拠は示しておらず、イスラエルもこの爆発について公式の声明を出していない。

ヒズボラの首長ナスララ(Hassan Nasrallah)師は19日、2つの爆発をイスラエルのテロ攻撃と呼び、「レッドラインを越えた」と非難。報復すると宣言した。

またナスララ師は「これはテロ行為、大量虐殺であり、宣戦布告に等しい」と述べた。

レバノン保健省によると、2つの爆発による死者は37人に達し、3000人以上が重軽傷を負った。17日のポケベル爆発では約2800人が負傷、うち約460人が重傷で、手術が必要だという。

ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は19日、ヒズボラとの戦闘が始まって以来、空っぽ状態になっている北部地域に数万人の避難民を帰還させる意向を改めて表明した。

イスラエル軍は19日、ヒズボラのロケット攻撃により兵士2人が死亡したと明らかにした。

国防相はこの攻撃を非難し、空軍にヒズボラの拠点を空爆・破壊するよう命じたと明らかにした。

2つの機器爆発はイスラエルの対外諜報機関モサドの破壊工作とみられるが、その証拠は見つかっていない。

一部の軍事専門家は今回の機器爆発について、「モサドはイランやレバノンを含む敵対勢力にかつてない圧力をかけることに成功した」と指摘している。

数千台の機器に秘密裏に爆薬を仕掛け、それを敵対勢力が支配する国に送り込むのは至難の業である。

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