◎米国やイギリスを含む9人の西側特使は先月、恣意的な逮捕や脅迫につながる恐れがあるとして、この法案に深刻な懸念を示していた。
南スーダンで物議を醸している「令状なしの逮捕を可能にする」治安法が施行された。
国営テレビによると、キール(Salva Kiir)大統領はこの法案に署名していない。
国会議長の報道官はAP通信の取材に対し、「この法案は7月12日に大統領府に提出されてから30日経過したため、憲法に従って自動的に施行された」と語った。
キール氏はこの法律に拒否権を行使しておらず、施行を事実上認めていたとして、人権団体などから批判を浴びている。
米国やイギリスを含む9人の西側特使は先月、恣意的な逮捕や脅迫につながる恐れがあるとして、この法案に深刻な懸念を示していた。
南スーダンは独立から2年後の2013年、キール氏に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の支持勢力に攻撃を仕掛け、内戦が勃発。18年の和平合意で終結した。その犠牲者は30万~40万人と推定されている。
政府と反体制派による小競り合いは和平合意後も続き、数千人が死亡、数十万人が国外に逃亡した。
同国は18年に発足した暫定政府の下、今年12月22日に初めての国政選挙を実施する予定だ。