◎国連によると、ジンバブエの人口のほぼ半分にあたる760万人が緊急の人道援助を必要としている。
歴史的な干ばつに見舞われているアフリカ南部・ジンバブエが難しい対応を迫られている。
中央政府は今年、全国約7300人の障がい者を支援するために760万ドルの予算を割り当てた。これには干ばつを含む自然災害に対応する費用も含まれている。
政府は最近、障がい者だけでなく、天災により社会的保護を求める弱者の数が増加することが予想されるため、追加予算が必要であると表明した。
政府は今年4月、全国で深刻な水不足が発生しているとして、干ばつ非常事態を宣言した。
それから1カ月後、ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領は干ばつ危機に対処するためには20億ドルもの予算が必要であると表明した。
ムナンガグワ氏は国連、地元企業、NGOなどに対し、食料支援を強化するよう求めた。
ジンバブエの隣国マラウイとザンビアも干ばつ非常事態を宣言している。
ジンバブエの地元メディアによると、多くの市民、特に地方の村人たちは猛烈な暑さの中、徒歩で水や食料を探しているという。
ジンバブエ放送協会の取材に応じた農家の男性は「私の知り合いや知人の多くが食事を1日2食、もしくは1食に減らしているが、それでも厳しい」と語った。
保健当局によると、栄養失調と診断された全国の患者は過去3カ月で20%ほど増加したという。
首都ハラレで活動する人権団体は10日、SNSにこう投稿した。「ハラレで生活する一部の市民も食料の確保に苦労しており、地方では餓死者が出たという情報もある...」
国連によると、ジンバブエの人口のほぼ半分にあたる760万人が緊急の人道援助を必要としている。
先月上旬、国連はジンバブエのために4億2900万ドルを集めると発表したが、資金調達は遅々として進んでいない。
ユニセフ・ジンバブエは10日、進行中の干ばつについて、子供と妊婦への深刻な影響を強調し、危機的状況に対処するためには国際社会の支援が不可欠であると表明した。