◎3月中旬から始まった大雨は未曽有の洪水に発展。300人近くが死亡した。
東アフリカ・ケニアで近年最悪と呼ばれる洪水が発生してから3カ月。多くの地域で復興が進まず、数万人が厳しい生活を余儀なくされている。
ナクル郡マイマヒウで被災した農家はAP通信の取材に対し、「一晩雨が降り続いただけで町が冠水し、肩まで水につかった」と語った。
この農家はトウモロコシ、エンドウ豆、キャベツ、トマト、ケールを育てていたが、大雨により、作物だけでなく家財も失った。
3月中旬から始まった大雨は未曽有の洪水に発展。300人近くが死亡した。
ナクル郡マイマヒウでは4月末にダムが決壊。数万人が避難を余儀なくされた。
政府はその後、洪水が発生しやすい地域の住民に退去を命じ、建築基準法を無視して建てられた掘っ立て小屋やレンガ造りの家をブルドーザーで破壊した。
政府与党が農業を経済の柱に据える中、多くの国民がさらなる物価上昇に懸念を示している。
政府によると、一連の洪水により680平方キロメートル(東京23区とほぼ同じ)の農地が破壊されたという。これは全体の1%に満たないが、それでも数万人の農家が生活の糧を失ったと推定されている。
ケニア以外の東アフリカ諸国も洪水に見舞われ、タンザニア、ブルンジ、ソマリア、エチオピアなどで数百人が死亡。数十万人が被災し、10万~15万人が住居を失ったと推定されている。